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11月のコンサートのプログラムを通してみました。
全体に良く歌えていますが、特に良く歌えていたのが「霧と話した」
そしてイタリア古典の「四十雀」
「オランピアのシャンソン」でした。

「霧と話した」は、歌詞の明りょうさと表現の意図が明快で、音楽的にも安定していました。
「四十雀」は、丁寧な高音発声の扱いが好感が持てました。
それは「オランピアのシャンソン」も同じでしたが、強いて言えばテンポが遅かったです。
もう少し乗りの良いテンポでさっと歌う方が良かったでしょう。

逆にもっとゆったりすべきだったのが、フォーレの「リディア」
そしてミュージカル「ファントム」の「私の真の愛」でした。
「リディア」は、ゆったり歌うことで、この曲の白い純白さが表現されるでしょう。
特に2番になってから、急がないように。放っておくとどんどんテンポが進んで行く傾向がピアノにもありますので、歌う人は落ち着いてじっくり取り掛かることが大切でしょう。

「トスカ」は本来が重い声の曲ですが、ホールも小さいし、アリアと言う意識よりも
美しく仕上げるという意味では、あまり重く歌わない方が良いでしょう。

日本歌曲のもう一曲、高田三郎の「くちなし」は、譜読みがまだ浅い感じです。
特に中間部に出てくる、語りの要素が強い箇所は、3連符ですが、リズムが甘いため、音楽が良く判らない状態でしたので、改めてリズムを正確に意識してもらいました。
リズム感が正確になれば、そこから日本語の語りを強調することは良いと思います。
また、このことが高田三郎の日本語の扱い方の真骨頂だと思います。