UM

発声練習の後、コンコーネの24番の練習から始めました。
発声練習は、綺麗に2点bまでチェンジして良い感じの発声が綺麗に処理出来て、スムーズに発声出来ました。
こちらに来た頃に比べると、発声が確立しつつある感じで、歌声が安定して来ました。

コンコーネの24番は以前から2点Eの響きで喉が上がって、喉っぽくなる傾向が強かったですが、この点は、ほぼ解決されていました。
まだ微妙に喉が上がる感じがしていますが、何とか抑えている感じです。
2点Eに入る寸前に、微妙に口を縦に開けることが出来ると、はるかに楽に回避出来ると思います。

Lascia ch’io pianga から練習を始めました。
全体的には、前回よりも歌声が安定しました。
歌いこみが進んだのでしょう。
高音域は喉が少し上がってチェンジして細いですが、喉を押さない傾向が良い結果を招いていると思います。

後半のIl duol infrangaからの節で、フレーズの終わりが二分音符の場所が3個ありますが、この二分音符はしっかり長さを確保して下さい。
そうしないと、表現が弱くなってしまうからです。

モーツアルト Batti batti o bel masettoをやってみたいとのことで、練習しました。
一通り聴いてみましたが、これがとてもお似合いでした。
高音発声は課題が残りますが、キャラクターがピッタリでした。

高音発声を見ていると、喉が上がってしまう傾向が強いです。
この対処には2つあります。

一つは、姿勢です。
先ずは顔を動かさないこと、姿勢をしっかりさせて首がぐらぐらしないようにすることです。
苦しいから顔を動かすわけですが、苦しいのは声を出し過ぎることと、喉のポジションが定まっていないからです。
これは練習あるのみなので、今はなるべく顔をぐらぐら動かさないにすることに慣れてください。

そしてもう一つが、口の開け方です。
これも慣れないと難しいですが、歌いながら高音に入る際に口の開け方を工夫します。
口を縦に開ける、すなわち下顎を降ろすように発音する、ということです。

口を横開きにする方が、一見高音が出る感じがしますが、これは締める傾向の出し方のため、見掛け上出るだけです。
たとえば、コロラチューラの3点C以上の音域になると、良い意味で喉を使う方が出やすいことがあります。
細かい音符の中で経過的に高音に跳躍する場合は、口を横に引いた方が瞬時に音程の決まる声が出せるわけで、
その場合は、横に引く意味が大きくあります。

ただ、2点bより下では、きちっと喉を開けて口を縦に開け軟口蓋を使わないと、本当の良い響きにならないです。
要点を書けば、下顎を降ろすことで喉を上げない状態で、軟口蓋を上げることで音程を出す響きを確保する、という、2つの要素が組み合わさると、本当の意味で良く響く高音になります。
これは難しいですが、ぜひこれから練習して覚えてください。

YC

発声練習の声は、中低音が明るく良く響く声でした。
高音チェンジ近辺は、最初はファルセットでしたが、直ぐにミックスした響きになり、高音3点Dまで伸び伸びと出していました。
3点Eになると、再びチェンジするようです。
チェンジしても、直ぐに響きが下の響きとミックスするのは、喉の自然な反応なのでしょう。

この辺りの高音発声のコツみたいなものが、抜群にうまいです。
またファルセットを出すくらいに脱力した状態が出来た上で、声帯を伸展させる、喉の使い方も上手いです。
これがあるから、息漏れの無い高音発声が可能になるのでしょう。

Casta diva
まだ譜読み途上なので、歌いこめていませんが、全体的な印象は明快にありました。
全体に若い歌声の印象なので、もう少しこの冒頭のゆったりしたメロディのノスタルジーのような部分が声で表現出来ると良いと思いました。
年齢的なものもあるので、中音域の声はこれから自然に太く深くなると思うので無理は必要ないです。

ただ、表現として、深い憂鬱な部分から激しい興奮までの大きな表現の幅を慮って、声の配分を意図して作るよう考えておいて下さい。

La forza del destino
こちらは、更に譜読みが未熟でしたが、この曲の高音の持つ魅力の片鱗が良く出ていました。
音楽的な緊張感や、ドラマティックな雰囲気が合っているのだと思います。
忙しいとは思いますが、譜読みを良く進めておいてください。
譜読みは、リズムの変化を良く把握しておいてください。
伴奏形が変わると、テンポが変わるような錯覚がありますが、テンポは変わらないケースがあります。
伴奏形に惑わされずに、テンポを把握して下さい。

またイタリア語の歌詞だけは、良く読んでおいてください。
譜読み以上に、歌いこみの効果があると思います。