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近々歌う機会があるようで、そのための練習をしました。

シューベルトの「冬の旅」から「春の夢」から始めました。
楽しそうな冒頭の第一節、恐怖感を表す第二節、夢のような虚無感のある3節目。
これらの違いを表すために、ダイナミックの変化、そしてリズム感とメロディの歌い方に分けてもらいました。

どうも歌詞発音、あるいは歌詞をはっきり歌おうとすることだけに集中するためなのか?歌が理屈っぽい感じになって、
素朴な音楽のメロディの魅力が削がれている、と感じたからです。

第一節は6/8のリズム感を楽しく感じて歌えば、それだけで充分です。
恐怖を表す第二節は、声を張るだけではなく、むしろ恐ろしい雰囲気を感じることで、声が表現されるでしょう。
無意味にダイナミック記号に従わず、その意味を考えてダイナミックを変化させても良いのでは?と思います。

第三節ですが、テンポがLangsamになるせいもありますが、徹底したレガートで歌うことだけに集中してもらいました。

音楽は語り口が前に出るタイプと、メロディが前に出る方が良いものとに二分されると思います。
どちらが相応しいのか?見定める必要があります。
難しい理屈抜きで、きれいなメロディはきれいな・・という部分を良く声に出すことが、シューベルトの歌曲などは先決です。
言葉数が多いものは、それなりに言葉の分節や単語の単位など、抜き取って判り易くする必要もあるでしょう。

白髪の頭は、高音のメッザヴォーチェがとてもきれいに処理出来ており、良かったです。
この曲では、リズム感をまず大切に歌うべきでしょう。
ピアノの切り方に合わせるかどうか?の前に、自分の確たるリズムを大切に歌って下さい。
その上で、ピアノ伴奏とアンサンブルを入念に練習して下さい。

最後にシューマンの「詩人の恋」の1番~3番を練習しました。
1番は、今日練習したように、語り口よりもメロディラインの美しさを全面に出す曲だと思います。
母音のLiだけで声の響きで練習して、メロディラインを明快に際立たせる練習をしてください。
歌詞で歌う場合も、母音だけの響きをイメージして歌う方が良いと思います。
2曲目は、むしろ語り口を大事に歌い始めるべきです。
後半ピアノがPPの所は、歌もPPで歌って下さい。
3曲目は、概してピアノが先に進んでしまいますので、歌のリズムを良く確立して、歌に合わせるようにアンサンブルの練習をしてください。