OM
発声練習に時間をかけた。
母音のIで始めながら様子を見た。
発声では、お腹がほとんど使えていないように見えたので、腹や腰の使い方、立ち方を教えた。
ピアノの端を両手で持って持ち上げる真似をしてみたが、この際にも腰を使えていなかった。
声を出す筋肉というのは、重い物を持つ時とほぼ同じ部分を使うのだが、その際に使う腰から側腹にかけてが、ほとんど使えてない。
恐らく、物を持つ時に、手先だけか、肩に力を入れて持つのだと思う。
腰を使うことを覚えれば、発声で必要な腰の使い方も簡単に判るようになるだろう。
ところが、笑うと使えている。
以前、私が習ったことのあったように、バスローブのひもで、お腹をしっかりゆわえて、練習してみるのが良さそうである。
ということと、顎を引いた姿勢の、両者を加味してやると、腰から上半身を少し前倒しにして、歌ってみる。
そして、その際に両腰少し上、肋骨の背側の少し下辺り、にブレスを入れるようにして、声を出す際にさらにその部分を膨らませるように歌うこと、を練習してみた。
曲は「夜の女王」のb durの方。
前半のゆっくりした楽章は、前回よりも喉が落ち着いたゆったりした声で歌えている。
後半のAllegroは、やはり最後のメリスマの声である。
どうも、ブレスがきちんと入らずに、口先だけで歌ってしまうので、勢い高音も喉だけになってしまう。
まずはブレスポイントを確実に決めること、やたら短くしないこと。
そして、ブレスを練習したようにきちんと入れること。
あとは、練習の積み重ねだが、一つは頬を良く上げて、上あごで発声することである。
いずれも言葉で書けば簡単だが、積み重ねを相当しないと、本当の意味で使えるようになるには、まだ時間がかかる。
地道に積み重ねて、確実に発声をものにしてほしい。