発声練習はいまのところ、難しいことを言わずにどんどんと声を出す方向で練習中。
しばしば思う事は、声を出す出し始めに常に横隔膜から始まる意識を持つと、もう少し良い意味で声が重くなるのではないかな。声帯は健康的に良く当っているけども声の支えが胸から上だけで処理されるみたいな感じがある。
声をアタックすることを横隔膜から始まる、鳩尾辺りから常に声が出始める意識を同時に持つことで、声に落ち着きと言うか重さが出てくると思う。
軽い声なので、それだけを聞くとテノールみたいな気もするが、どうも違う気がする。
これはややもすると、声をずり上げてしまうが、ずり上げるのとは違う。
あたかも鳩尾辺りに口がついていて、そこから声が出だす感じである。

曲は前回と同じくシューベルト3曲「冬の旅」から「老楽手」
どうもいつもそうだが、テンポが一定しない出だし。
こちらが思うよりゆっくりの出だしだ。ということでメトロノームで確認。
およそ4分音符=60だろうか。
テンポそのものよりも、おそらく前奏の形のせいで、音楽のビート感がつかめないのだろう。
ある程度の速さに感じて、ビートをきちんと感じてそれに乗って歌い進むことが大切である。
そうでないと、何をやっているのかがどうもわからない演奏になってしまう。
声の状態はとてもよい。

2曲目の「道しるべ」こちらはテンポ感は音楽の形のせいもあり、ずっと良い。
声も良い。高音だけ、少し音程が低くなってしまう点を注意。
後は、「老楽手」もそうだが、言葉をはっきり発音するのは良いのだが、それがために響きが時として切れてしまい、せっかくの声が滑らかに繋がってこない。
特に出し難い中低音の場合、もう少し弦をゆったりと響かせる意識を持って言葉をさばくことで声を押さないでも、響きが出てきて、音楽的になる。
常に口の奥に空間を持たせておいて、舌と唇を柔軟にして、口先だけで発音する感じといえば良いだろうか?常に口の中に空間が出来ている感じで発音、である。

「魔王」は役柄ごとに反復練習。いずれにしても、音楽がその形を微妙に出しているから
声を意識して変える必要はないだろう。ただ、ト書きと役柄の違いは大切かもしれない。
しかしピアノ伴奏を弾くので手一杯なので細かいことは言えず終い。
右手がつりそうである。笑
音楽の勢いで声の元気は良いのだが、しっかりした声を出すと言う範疇の中でも良い声を出す冷静さを常に大切に。

よしおかさん

今日は発声から非常に調子がよかった。
特に良かったのは、高音域である。
2点G~bくらいで、共鳴感のある響きが出るようになってきた。
3点Cまで出したのは久しぶりだろうか。

方法論というよりも、今までの積み重ねと集中力だろうか。
あるいは体力とか体調だろうか。
声も睡眠不足がかなり影響もあるだろう。

発声のポイントとしては、2点F前辺りが一番喉が締り易い。
口を開けるけども、ただ開けるのではなく、喉が開くように開ける意識は必要である。
むしろ開けることで締まることもあるので、唇や口の開け方に敏感になってほしい。
声は引かないで前に持っていくことも良いだろう。
高さに任せて出すと、自然に後ろに行ってしまうのだが、ちょうどチェンジ辺りは喉もしまって、響きが出なくなってしまう。
それより上に抜けると例え声を引いていても、響きが出るようになるので
その前の段階では意識して前に持っていくことで、喉の締りがなくなり、声にも響き感が出てくるのではないだろうか。

曲はイタリア古典から、O del mio dolce ardor
全体に声を出す勢いがひしひしと感じられてよかった。
声自体が変わったわけではないのだが、息の力がしっかりしていたので
よしおかさんの声なりに、響きが出て、声が良く聞こえてくる感じであった。
中低音と高音の響きの違いも意識出来ていて、音域全体にわたってきちっとした声の響きで歌い通せているイメージであったので、これは上がりにした。

後は今日の調子の確認のために、他の曲を何曲か。
同じイタリア古典からLascia ch’io pianga
とても綺麗に歌えているが、一点、E che sospiriのEの響きが締まることとsospiriの2点Gが締まって浅くなること。
エの母音が苦手のようなので、アで良い響きを出しておいて、舌の形を
微妙に変えることで、なるべくエでも締まらないように良い響きを出す確認をした。
後は、上に上がる際に声を前に持っていくこと、上に上がる意識があるために喉も上がってしまうのだろう。

後はLasciar d’amarti
これは、2点C~Eを鼻腔に入れるように。そのまま放っておくと、直ぐに響きが後ろに行って音程が♯に感じられる。合唱であれば良いくらいかもしれないがソロだとどうも気になる。何となく声質が白い感じに聞こえてしまうのである。
血の気のある声、という意味で響きを前にそして♯にならずに音程ずばりの響きを探して欲しい。

最後にSe tu m’amiを
こちらは、これから中低音の練習になるだろう。
中高音~高音域が良いのでこの曲やDimmi amorなどで中低音の練習となりそうである。