またもや一歩前進という感じだった彼女の発声。
こちらがうるさいことを言わなくても、一歩先を見越して練習するのか?
分からないが、あれこれ言わなくても必要なことをやってくれるので助かる。

大事なことは、どうするとどうなる?どう響く?という感覚と方法を覚えて行くこと。
その過程で声をちんまり小さくしないこと。
しっかり声を出すことも忘れないで。

コンコーネ21番も声で出来つつあることが反映出来るようになったことが大きい。
曲はQuella fiammaとPur dicesti o boccaa bella
前者は高音へのチェンジが滑らかだし、細いながらも高音は安定した。
後者は中低音の響きが一段ピッチが良くなり、集まってきている。
リズム感に乗れる人なので、この曲は楽しそうに歌っているのが良いところ。

彼女は歌のイメージを大切に出そうという意識が強いので、その点は心配がないが、
イメージがないときにどうするか?が問題である。
人の歌を聞いて良いと思って選んだのに、歌ってみるとどうも、、という典型なのだろう。
録音は恐らくキーが低いのではないかな?
メゾの声に憧れても、自分の声が必ずしも躁とは限らないし、逆に自分の持っていないものをある程度伸ばすには
それなりに方向性を定めないと、なかなか難しいところ。

あめくさん

今日の発声は顎を引いてしっかり前に、鼻腔に響きを入れることが中心になった。
彼女に何度も言いたいことは、身体をしっかり意識して身体で発声することの大切さ。
声の響きだけで、雰囲気でなんとなく出さないこと。
高音を締めないこと。喉は開いてふんわりと出すこと。
中低音は前に良く集めること。顎が出ない姿勢。

曲はフォーレの「イスパーンのバラ」と「月の光」
顎を良く引いておけば、しっかり前に当てても地声にならないで、響きが出るポイントを見つけること。
それが出来ないと中低音はまだまだしっかりしてこないから。
高音は良く喉を開いて、柔らかくきつくならないように。
逆に中高音以上のアはこもらないように、舌を脱力。前に。
エも広く喉が良く開いて発声してほしい。

中低音の発声は苦労しているが、これが出来ないと本当の意味で彼女の良さが出ない。
なんとかこれをクリアすべく頑張りたいところ。

たかはしさん

彼女は、ある一つの段階として声は良いところに来ている、と言いたい。
高音の細く優しい味わいは、良いキャラクターだと思う。
後は音楽的なバランスとして、譜読みの段階からリズムを良く把握するこレベルを上げてもらいたい。
リズム感を大切に。
そしてたくさんの曲に当りながら、その中でテクニックを磨いてもらいたい。
日本語の歌などもぜひトライしてほしい。
そんなところから、表現力が身に着いてくると思う。

曲はドニゼッティの歌曲、La corrispondenza amorosa
譜読みは落ち着いた。リズムもしっかりしてきた。
シュトラウスのSpring songは最後まで譜読みを完成。
後は不安定なシンコペーションのリズムを確実にしたい。

みねむらさん

基本的な声の核、芯を作ること響きの発声は成功してきている。
後は、音楽的な処理を考えたい。
声は機械じゃないので、あくまで言葉や音楽の旋律と一体となった響きである。
音楽の表しているものを、直感的で良いから素直に声に表すことを大事に。
優しいのか?怒りか?不安か?悲しみか?希望か?
そこまで具体的なものでなくても、音楽から感じられるものをもっと素直に声に出すように。

今日はフォーレの「リディア」「蝶と花」
例えばリディアなら、どういう感情が基本だろうか?憧れ、追慕、愛情、ではないだろうか?
情熱と優しさを込めて欲しい。
「蝶と花」は、語りと感情の吐露だろう。それを旋律のどこでどう活かすのか?
旋律によって、普通に語るところと、感情が込められる所の違いが分かると思う。
そういう違いを意識してほしい。

最後にアリアAdriana lecouvreur
顎が上がらないように、しっかり支えて中を開いて高音を発声出来るように。