TKさん

母音のイで始めた声はとても膨らみがあって、良かった。
歌い進むに連れて、低音~中低音が少しずつ響き難くスカスカになるのは、やはり中高音以上の音域で喉を締めてしまう傾向があるからだろう。

ある意味、共鳴のある中高音に聞こえるといえば聞こえるけど、本当は結構締めているところがあるようだ。
喉が上がらないように姿勢に気をつけること、唇を良く突き出して使うこと、発音したときに、喉を締めて鳴らし過ぎない意識をしっかり持つと良いだろう。

今日は発表会で歌った歌から、フランスのロマンスを抜いて、Fairly isleを足したプログラム。日曜日にどこかで歌うとのこと。
アマチュアでもそうやって他の場所で歌う機会が出来るのは良いことだ。

Fairly の発音だけど、フェ・ア・リーではなくて、フェア・リーと2音節であること。特にフェアのアと書くところは実際はRの子音の発音であることを忘れないように。

If music be the food of loveは、良く歌えているが高めの音域のフレーズで頑張りすぎないこと。このために、低音が出しづらくなってくるよ。
気をつけよう!

FTさん

発声練習はアで始めた。
どうも顔だけで声を出す悪い癖が相変わらず強くて、お腹がついてない。
声の出だし、声の出る原動力はお腹だ、ということを忘れないで欲しい。
それは、強い声を出すという意味においてではなくである。
どんな時も、基本は、と言う意味。
腹から高く、である。

今日はカンツォーネを2曲持ってきた。
タイトルはうろ覚えだが、確かCarmelaと、Lolitaだったかな?
一番感心したのは、中高音の発声で鼻根に集める、あるいは鼻腔に響きを入れようとする方法である。

これは、以前にも教えたが、本人が自覚して、なるほど!と思ったのだろう。
これがなかなかこちらの指示通りには行かないもので、時が必要なのだろう。

この発声で、大分安定して中高音が力みすぎないで歌えそうである。
Carmelaは、ナポリ語のままなので、歌詞を付けるのが苦労しそうで、今日は母音だけだが、なかなか良く歌えそうで楽しみである。

TTさん

発声は母音イで始めた。
昇り降りして、1点Gくらいで、イからエそしてアに変える練習。
中低音域も、アでも良く前に響く声になってきた。
この母音で高音に昇ると、やはり2点Gくらいから口を横に引いて喉が上がってくるので注意。

高音は確かに勢いは大切だが、彼女の場合は身体全体が力み過ぎかな、と思わされるところがある。
高音を出すために強く出すことはある面で理にかなっているのだけど、力まないことで、喉が上がらないのも事実。

そのためには、もう少し太めに出すこと、喉が上がらないために、声を当てる方向を探せるともう少し楽に出せるのではないか?
という気がする。

先ずはベッリーニのAlmen se non possioから。
後半で細かいリズムが出てくるが、リズムを先ずはきちっと把握して、イン・テンポで確実に歌える方向を掴んで欲しい。

次に歌ったのは、モーツアルトのアリアで、Re passaだったか。pasta?のわけないか?失念した(・・;)
何度か出てくる難しいメリスマの音程を先ずはきっちり把握しよう。
そこをきっちり譜読みして、更に先に進みたい。

最後に「清教徒」からSon vergin vezzosa
こちらは譜読みの伸展もあるが、高音の声が課題だろう。
長いし、構成も考える必要があって、彼女にはハードルが高いとはいえ、充分に出来る程度であると思う。
挑戦のつもりで、勉強してみて欲しい。

MMさん

低音~中音域は、低音で野太くならないように響きを細く前に集めることが出来れば、中低音~中高音はとてもよい。
課題は、2点F前後から始まる高音域で喉が上がってしまうことだろう。

私がやってみせたり、色々したが、彼女の場合発声器官、特に喉頭を動かす器官が働いていない、と感じた。
喉頭は呼気と、すなわち感情と繋がる器官だから、まずはブレスを入れることと、喉頭が動くことを自分で実感出来るように、注意を払って欲しい。
ブレスで決まる、ということ。
ブレスは勿論、お腹でである。

顔面から口の筋肉はもっともっと使いすぎるくらい使ってみて欲しい。
特に唇を突き出すこと、あるいは脱力することとの交換。

フォーレのLes berceauxは声の問題があまり出ないが、やはり響きを落とさないように、鼻腔の響きを大切に。
モーツアルトのCosi fan tutteのドラベラ=フィオルディリージの二重唱は、高い方で喉を締めないように、口を突き出す方法を良く身に付けて欲しい。ただし、中低音の扱いは野太くならないように、高く集めて。

デュバリー伯爵夫人のアリエッタは、前半の語りの調子を録音など聴いて真似でも良いから、もっともっと積極的に出して欲しい。
逆にルフランはもっともっとロマンティックに!
彼女の場合、発声の基礎の方法論もあるけど、もっと演技、というか感情の露出を大げさに出そうとする意識が、歌を更に上手くする一因になるのではないかな。