TKさんで始まった。バッハから2曲。伴奏あわせだったが、前回の問題点は解決していた。
1曲目は、メロディで弾くべきだろう。テンポを遅くすれば良いのではなく、メロディラインをどう弾くか?が問題だと思う。
声としては、最後の高音は出し過ぎないほうが良いと思う。丁寧に。
後はとても良い。
2曲目は、これもテンポ設定に苦労した。ピアノだけなら早めでも良いのだが、歌が付いていけない。歌の力量からすればアンダンテくらいの感じで丁度良いようである。
2曲ともだが、低音を少し意識して、低音のアーティキュレーションでは口を少し開けるようにして、喉を開く意識を持って欲しい。

SMさんは、前回に続いてとても丁寧な落ち着いた歌唱になり、音楽的にも安心して聴けるまでになった。
デュパルク「悲しい唄」も高音に無理がなくなり、音程が良くなった。
ピアノは、伴奏のアルペジョは均等な16分音符ではなく、物理的な運動性を感じる弾き方を大切に。物理的というのは、上がり下がりの微妙な揺らぎのことである。
ドビュッシー「星の夜」はとても良い。落ち着いて歌うところ、アニメのところの違いをはっきりと出して欲しい。最後の声もピアノの和音まで綺麗に引っ張れると良いだろう。
エロディアードもほぼ良い。
間合いが取り難い所は、次のQuandの発音が発声を邪魔しないように、発音すれば声がひっくり返らないと思う。最後の声は最後まで伸ばし切るほうが良いだろう。

TTさんも、高音が素晴らしい。2点bの響きは、ムジカCでも屈指の良い声を出していると思う。
長期的にはもう少し中高音域の声で喉の開きのある響きが出来れば、更にレガートで深みのある
声による音楽が出来るようになるだろう。
ルクレツィア・ボルジアは、テンポはLarghettaであり、急がないでゆったりと、優雅に。
総合的な印象で、これも先々の話しで良いが、歌うところ、それほど歌わないで良いところが自分で見つけられると、もっと楽出来ると思う。
ただ、今のままでも良いので、徐々に長い目で見てそういう場所の違いを見分けて実行できると喉も楽だし、音楽も立体的になるだろう。

WHさん、後から書くとドレッタのアリアは、高音が本当に素晴らしくなった。
特に最初に出てくる高音2点Aのメッザヴォーチェの声の深み、響きは、最後の頃に教えたことを言うとおりに練習して来て完璧にこなしてくれた。思わずブラヴォー!と言ってしまったくらいである。ドナウディも実に日本人離れした声の響き、歌唱で、言うことがない、強いて言えばフレーズの終わりを早過ぎないように。ドニゼッティも懸案の所がなんとかクリアできたが、次回完璧に出来るように期待したい。
見ていると、高音になると肩が上がってこちこちである。高音ほど肩の力みを意識して、取るようにしてみると良いだろう。