MC

発声練習も声ならし程度に、早速ダウランドのマドリガーレから。
Can she excuse
結果的に良かったが、Rather slowということで、しっとりした落ち着いたテンポが良いようである。

彼女は英語の発音が良く、また良いだけでなく語感が良い歌を歌うのが特筆ものである。
そして、曲も音域に無理がないため、声楽的な破綻を感じさせず、無理のない声で、軽やかにダウランドを歌う妙味が実に良いと思う。

その後、Come awayやFine knacks for ladyなど歌ったが、言ったことはテンポのことくらいである。
また、パーセルの歌曲もDear pretty youthはとても軽やかで可愛い歌である。
高音から入る声のアタックがやや弱いため、はっきりしない点は要注意。
あるいは強拍ではない、裏拍の入りで、弱くならないように、とも言えるだろう。

Evening hymnは、テンポ設定で重くならないように。
重く、ゆっくりだとちょっと持たないだろう。
出だしが一番大切だが、音程に注意。上を良く開いて高く響かせる意識を大切に。
後半のメリスマもかなりブレスが延びているが、最後は無理しないで終わった方が良いだろう。
全体に、平均点の高い楽しいプログラムとなりそうで、楽しみである。

GH

イタリア古典からPiacer d’amorから。
今日は発声からだったが、どうも力んでしまうと、胸でブレスを取って
声のポジションが浅くなってしまう。
もっともっとブレスをゆったりと深く、喉をリラックスさせて発声に臨んで頂きたい。
そこを抑えれば非常に良い、バリトンの声で歌える素質を持っているのだから。

特に昇りフレーズの場合に、音程で喉を変えないように、要注意。
音程が上がらない分、軟口蓋を上げるようにすること。
いわゆる天井を高くしておくことで、自然に音程は出る。

単純に書けばそれだけのことだが、これまで随分と練習してきたと思う。
この点を抑えれば、今は後は特に言うことはない出来である。

シューベルト「冬の旅」「旅宿」「春の夢」ともに、良い声で歌えている。
後は、前述の声のポジションが上がらないように、腹に収めてゆったりと歌えるようになって欲しい。
伴奏は、ちょっとしたことで、とても良くなるので、その点を指示した。

全体に声を出そう、と力めば力むほど喉が高くなって、腹からの声にならなくなる点を要注意である。

AC

発声練習の声は、喉が適度に温まり滑らかであった。
今日はちょっとしたことで、声のチェンジ、喉が開いた状態を覚えることが出来たと思う。

Soirでは、1点C以下の音域から1点C以上に飛ぶときに、喉が締まる傾向があるが
発音とからめて、昇る際の口の開き方、顎の引き方で、喉を開けるようにした。
顎を良く後ろに引くようにアーティキュレーションすると、喉が上がらずに
喉が開く。
そうすると、声帯で振動した声でなく、息が良く通る響く声になる。

後はこういう発音とか、状態になることを、応用して、特に2点C~Fの間の
高音への橋渡しの領域の喉の締りを軽減させることを上手くなって欲しい。

今まではどうもこの領域で力んでしまうと、喉が締まった声になり勝ちだったから。

カルメンのハバネラは、前半のマイナーの部分の、発音、発声を注意して練習した。
まだまだフランス語の読みの誤りが多い。
辞書は引いてるようだが、知識と経験がまだ足りないようである。

Arpegeは、これも前述の喉の開きを意識した発声で、音程が皮一枚良くなったため、
前半の中低音域の歌声がとてもスッキリしてきた。
これで、ほとんど言うことはない。

ドビュッシーC’est l’extaseは、これも前述の発声を応用して、中低音が滑らかでピッチが良くなった。
最後の高音は、まだ細く締まる傾向だが、これも馴れであろう。