大学生の男の子で、高校を専門校でピアノをやっていたとのこと。
早速アマリッリを歌ってもらった。
声を聴いてみると、若い男の子らしく中声区の声でどんどん元気良く出す。
ただし、良いところがあって、声帯を締めてガナらない。
やはりテノールに憧れているようだった。
ブレスで胸いっぱい吸う事と、下顎に力が入っているようで、当然胸とか上半身も硬いようであった。
多分イメージがあって、声を出す、身体を使って立派な声を出そう、という無意識があるのだろう。
息を吐いて、吐いた勢いで脱力するだけで息が入る練習を少しやってから、発声練習をしてみた。発声では、やはり1点Gに到達するのがやっとみたいなので、ファルセットなどから実声に換えて行くことなどもやってみた。
要は最初から立派な歌手のイメージの真似をしないで、自分の声で、確実に一歩一歩階段を上っていくことが大切である。
口の開け方も、子音を使うことも、ブレスの仕方も、すべてが、無理な大きな声を出すこととは関係なく、綺麗な旋律を綺麗に通る声で処理しようとすることだけ考えて欲しい。
身体を硬くして、無理にブレスが足りなくなるようなことは何もないのである。
あまり回数は出来ないと思うが、ぼちぼち教えて行けたらと思う。