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フォーレのLe jardin closから。
前回より譜読みが進んで、これら歌曲のシンプルで美しい響きを楽しむことが出来た。
特に自分としては、ピアノが弾ける1曲めの穏やかで繊細な和音感、2曲目の微妙なグルーヴ感が
楽しめたから、彼女の歌も良く歌えて来ているということである。

3曲目、、は、ピアノが難しくて歌ってもらうのが精一杯、だが、フランス語は良く勉強しているようで、発音はほとんど問題ない。
4曲目が、2曲目の対になる曲で、シンコペーションの中の大きなフレーズ感。
これが、意外と難しい。3/4拍子だが、恐らく8分音符で6つ数えて歌う練習をしたほうが良さそうである。
慣れたら、3拍子に戻して、大きなフレーズで歌えるようになって欲しい。

1曲目は、確かに低音で声は出にくいが、声のピッチさえ綺麗に合っていれば声量が問題になる音楽ではないのである。
ピアノの弱音の和音、非常に微妙なタッチを要求するが、へたに声量が出てしまうとピアノの繊細さが出せず、この曲の良さが消えてしまうだろう。
そういう意味で彼女の中低音の声はこの曲にぴったりなのである。

さて前回も歌ってもらったモーツアルトのコンサートアリア、Vorrei spiegarvi,oh Dio!
声が軽く柔軟になり、高音の軽く出すべき声質もとても良くなったと感じる。
廻る所も問題ないので、言うことがない。良く歌えている。

次の「後宮からの逃走」のコンスタンツェのアリア、Martern aller Artenなどでは
3点Cが実に楽に出せていて驚く。廻す所も軽々と廻るし、歌いやすそうだし、曲としても素晴らしい。モーツアルトのこの手のアップテンポな曲は現代のロックに通じる、エキサイトがあると感じる。内容が内容だけに、モーツアルトのユーモア、女性観が面白いと思う。

最後に、以前にやったサン・サーンスのヴォカリーズを練習。
所々、高音の響きが逃げてしまうので、狙うように、あるいはその前の響きから確立して確実な高音の響きを常に心がけるように。

モーツアルトのアリアでもそうだが、高音は軽く柔らかくなって、コントローラブルになったが、更に狙いを定めて、空気の層のある響きの成功率を高めて欲しい。

駄目押しでもう一度フォーレの歌曲Exhaussmentを。
初回よりはるかに明るいピッチの良い声である。
声が温まると。一見低音は出ないみたいだが、実はピッチが良くなって通りが良いから、良く聞こえる低音になる。
だから、温まっていない時は、出そう出そうと焦らないで、響きを高くピッチを良くして、前に集めることだけ集中すれば、自然に高音域に繋がる声になって、これはこれで、声が温まらない時の発声として正しい、と言えると思う。