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今日は曲決めということで、モーツアルトのアリアばかりを多数曲、歌ってもらった。
今までレッスンでやってない曲も含めて、5~6曲は歌っただろうか?
コンサートアリア、オペラアリア、どれもこれも相当な高音の出る曲であったが、縦横無尽に歌い廻してくれて、改めて彼女の喉の柔軟さには感心した。

全体に声の微妙な柔らかさと響きが中高音~高音にかけて増してきて、良い発声が定着した。息が混ざって廻る声の響きである。
これはレッスンの成果、と自負したい。
歌うスタイルも、非常にノーブルな印象が強くなって、モーツアルトのアリアを勉強し続けた意味があったと感じた。
背筋が真っ直ぐで、真正面を見据えて歌う感じ、とでも言おうか。おどおどせず、矜持を保った歌いっぷりとでも言うべきものである。

いろいろとやってみたが、基本は今まで積み重ねた「後宮よりの逃走」のアリア、Martern aller artenを中心にするので
2曲分の時間配分と、違うキャラクター、ということで、ツェルリーナのBatti..を選んだ。
レッスンをしていないので、次回レッスンで詳細は詰めておきたい。

今日の段階で言えば、優しさとか、笑顔、微笑みでも良いだろうか。それが、女性特有の優しさに通じた歌声になれれば良いのだが。
BattiやMazettoなどのTの二重子音が、カタカナ日本語のバッティやマゼットなどのように「促音」にならないように。
ピアノ伴奏は軽快な音楽だが、決して軽薄であったり、ドタドタとした幼稚なものではない。
むしろ、柔らかく幻想的ですらあるだろう。その辺りがモーツアルトのモーツアルトたるところ。
女性のキャラクターを表現させると天下一品のドラマツルギーを持った天才であると思う。

後宮のアリアに関して言えば、後半で3点Cでいきなり入るポイントは、胸を充分高く開いて、響きの高いポイントに綺麗に入れると良い。
また、時折大きな跳躍があるので、ブレスも前述のように充分な余裕や、瞬時のブレスが綺麗に決まりたい。
そうでないと、間に合わずに喉で押してしまう高音が出てしまうであろう。

これも才気煥発のモーツアルトの音楽。
伴奏は、くれぐれも流れないように。どんなにテンポが速くても技術の追いつかない音楽にならないように。
まずは、ゆっくりからメトロノミックなテンポを確実にしてから徐々にテンポアップして行って頂きたい。