MT

今回もダウランドのギター弾き語りをレッスンとなった。全部で5曲。
ギターのことは専門外だが、やはり弦の調律はなるべく正確に合わせたいところだ。
ちょっとした和音で唸りが出ると、歌と調和が取れないし、せっかく響き自体は通っている声が、あたかも通らない声に聞こえてしまうからその面でも損だと思う。

声に関しては、1点だけ。
ギターの弾き語りで声を出す身体がちょっと力んでしまうことで、声の揺れが多くなって、ナイーブさに欠けてしまう点。

前回、確かに声を出すように言ったと思うが、声を抜かないようにという意味の反故だと思ってほしい。
彼らしい、真っ直ぐな声で綺麗に歌うべきであろう。
ギター伴奏だから、力んで大きな声で歌う必要はないが、響きは意識して欲しいのだ。

今日のレッスンでやったことは、ほとんどがテンポ設定と、音楽の組み立て、作り方だった。
ダウランドの伴奏譜は、ほとんどオリジナル(リュート)らしいが、かなり細かい動きをすることが多いので
ギタープレイのレベルも結果的に問われるから、これは結構厳しいところがあると思う。
したがって、歌だけで歌うとどうなるか?ギタープレイだけでやるとどうなるか?をきちんと把握するために、分けて練習してから。
歌と伴奏で擦り合わせる、という練習を確実に積み上げて欲しい。

TK

バッハのカンタータ、Nr36,41,44と3曲をひたすら練習して歌うのみだった。
プライベートでいろいろあって大変だったようだが、ともかくレッスンも再開出来て良かった、というべき状態だったので
細かいレッスンの内容よりも、とにかくひたすら歌って歌うことに集中するべきだと考えた。

それぞれ、最低2回ずつは歌っただろうか。
一番難しかったのは、譜読みが浅い3曲目のNr44だった。

メリスマのフレーズが長いため、カンニングブレスを何処に入れるか?ということだった。
ブレスポイントをはっきり決めて置かないと、ブレスがきちんとしないからである。
カンニングブレスをする意味は、正規のブレスをきちんとさせる意味がある。
そのことで、カンニングブレスを入れないで出来るようになる、可能性を持たせたい。
ということをイメージしておいて、練習して欲しい。
後は譜読みは、良く出来ているので、ひたすら歌いこみを続けるのみである。

HN

今日は、このところ続いたファルセットの発声から、再び声をしっかり出す方向を模索してみた。これが今日は難しかったが、必要なことなので避けて通らないで、またトライしたい。

彼女の場合、発声に際して上半身が少し硬いことと、声を出す準備で、構えてしまう。
恐らく、ブレスであくび状態を作るのだと思うが、それがために、舌根が硬くなり過ぎてしまうこと。それから、声を下に向けて踏ん張るように出すために、どうしても胸声区だけの声帯の状態に偏ってしまう。

今日のLascia ch’io piangaの練習としては、喉で力んで構えないために、顎を引いた姿勢を取って、歌う練習だった。
これは、どうもあまり効果的とは言えなかった。
ブレスの時点で多分、かなり舌根に力が入ってしまうのだろう。
ブレスそのものをなくしてしまうくらいに、ブレスの考え方を変えると、良いかもしれない。

歌っているときに、背中を支えることで、後ろに寄りかかって片足を上げて歌うことで、上半身を楽にした上で腹筋を使って歌う練習をしてみた。
この姿勢を取ると、高音が良く当った響きながら、喉を力ませない発声になった。

これを、自力で立った普通の姿勢で歌うのは至難の業だが、その前段階として、椅子に座って楽な姿勢でうたう練習もした。
この経験で覚えた高音発声の感覚を大切に。
とにかく、下顎の力み、上半身の硬さ、から開放されるべく、これからも練習方法を考えて行きたい。

曲はその他に、Tu lo saiを練習した。
これは、今回は高音のファルセットと、低音の声区の切り替えを明快にしてもらった。
譜読み、特に曲の末尾で一部未完成なところも、練習をした。