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フォーレの「9月の森」から始めた。

これは綺麗な声で、歌えていた。この曲の9月の森のまだ夏の残りが少しあるような雰囲気が良く感じられた。
一点だけ言えば、テンポがすこしあいまいな点。
もう少し3拍子のビート感はきちんとある方が良いと思った。

「歌を教える妖精」は、最初の早いテンポが少しのんびりして感じられた。
もう少し軽快に、ということでやってみると、歌詞の発音が滑らかに廻らないようであった。
母音だけで、例えばLaLaLaで歌うと、綺麗に滑らかにIn Tempoで歌える。
母音をあまりはっきりさせずに、あいまいでも良いので滑らかに素早く発音することと、
それほど頑張って発音しなくても良いところと、出す所の区別をはっきり意識すると良いであろう。

「我らの愛」は、Est,Legere,Les,Fougereなどの広いEの母音の響きだけが、浅く聞こえるのが少し気になった。
これも、Eの母音のことと捉えないで、フレーズ全体の母音をもっと一つの響きとして捉える意識が大切だと思う。
どの母音も響きの質がなるべく、同じに変わらないように、という気遣いを更に大切に。

最後の高音2点Aが、どうも下顎で頑張ってしまうために、少し抜けが悪く、結果的にこもった小さな響きになってしまう。
結局、指をくわえて練習したら、一発で上が抜けたすっきりした高音になったのには驚いた。
やはり、下顎を降ろして頑張る力み、の影響が強かったのだった。

それから、Hahnの3曲となる。

「クロリスに」は、ピアノのベースのテンポ、というか歌い方で決まる。
これも軽い音楽ではなく、どちらかというと重めだと思う。
バッハのメロディを思い出そう。
全体としては、ヘンデルのアリアみたいだ。
声はとても良く、この曲の雰囲気に合っていると思う。

「リラにくるウグイス」は、声の問題は感じなかった。
やはりテンポが軽い、というか、ビートがはっきりしない。
やはり基礎のビートを大切にした音楽、という原点を大切にしていただきたい。

最後に「春」
歌は、最後の高音だけ。これも「我らの愛」の高音と一緒で、指をくわえた発声で、上に抜けた明るい高音を目指してもらいたい。
テンポは、個人的には息も付かせない、輝かしいテンポ、で一気に歌い通すのが良いと思う。
ピアノが大変だが、くれぐれもお願いしたい。