MT
伴奏合わせ。プーランクの「月並みな話」全曲。
「オルクニーズの門」前奏が品格ある音楽で、素晴らしい。リズム、テンポはドンピシャだった。
歌も良く内容を伝える積極性があり、言うことなし。
途中、Vanupied la route est grise,,から伴奏が和音に変わるが、この部分の響きを良く出すように。
2曲目「ホテル」は、最初テンポが速すぎた。指示通りに、四分音符=50が良い。
歌は平らにレガートに歌うこと。
Mais moiのメゾフォルテ、Pour faire des mirageのフォルテは、指示通りにしっかり声を出してもらいたい。
その直後のJ’allumeのピアノの声もニュアンスを良く伝えてほしい。
3曲目の「ヴァロニーの沼地」は、最後の最後にテンポが決まった。当初は少しゆったり目で、その分歌のフレーズでの表現を考えたが
テンポを速めることで、歌声で表現しなくても良いと思った。
プーランクの早めのテンポは意味がある。
後半とても良い。
「パリへの旅」これはピアノの前奏の一つ振りの3拍子の歯切れの良さを決めてほしい。しっかり1つ振るかんじである。
速過ぎて滑るのは絶対に避けてほしい。歌は良く演技出来ており大変面白い。
5曲目の「すすり泣き」は、前半のテンポと音楽はとても良かったが、途中テンポが変わるUn peu animeから、上滑りしてしまった。
ピアノはまず良い響きを出すことを主眼にして、テンポを見掛け上で変化させない方が良い。
変化させるよりも、歌手の気持ちに沿えばそれで良いのではないだろうか。
歌は、最後のページのAinsi vont toutes chosesのメゾフォルテの声のニュアンス、そしてEt rien ne sera libreのフォルテのニュアンスには
忠実になってほしい。
最後のEt cachons nos sanglotのsanglotのGの子音出し過ぎでおかしい。柔らかく、そっと発音すべきである。ニュアンスを出すのなら語頭のs
と、鼻母音のAに重きを置くべきだろう。伸ばしの音は、喉深すぎないように。
HN
発声練習は、お腹の使い過ぎを注意。あるいは声の出し始め、アタックで強過ぎる点を注意した。
声自体が、歌い出しのアタックで強すぎて不安定な響きになってしまっていた。
これは少しやり過ぎだったと思う。
お腹は使うわけだが、歌いだすときはお腹そのものに意識を向けないで、単に口から歌いだすことだけを考えれば良いだろう。
細かく言えば、歌うからお腹がついて行くわけ。
ただ、姿勢やブレスの仕方が正しくないと、そのお腹の付いて来方が悪くなる。
お腹を必要以上に使い過ぎると、おかしなことになるので、この点は要注意を。
歌うことに関してはあくまで自然に。
ただし、ブレス時にはおなかの動きに集中することは良いと思う。
斜腹筋を伸ばすようにして、自然に胸郭が持ち上がるようにブレスが出来ることは、発声に良い影響が出るだろう。
喉の準備と、この腹筋を使ったブレスが組み合わさると、相乗効果で発声の準備状態が出来上がる。
後はいつも言うように、顎を出さないこと。特にブレス時と声を出す際に、顎が微妙に前に出る癖には注意を。
顎が出てしまうと、喉の準備とブレスの関係が壊れてしまう。
顎を出さないで歌うと、最初はこんなに不自由な姿勢で、良いはずがない!と思うであろう。
顎を出そうとする力は、良い発声に必要な力とは反対の使い方なので、直すためにはとても力が要るし我慢が要ることである。
ブレス時に顎を引くこと、そのままの姿勢から声を出し始めることを、今後も徹底して覚えてほしい。
曲はVittoria mio coreとStar vicinoいずれも前述の発声を基に、問題点を正して行った。
そばで見ていると、予想以上に声の出し始めで構えていることと、力んでいることが判る。
声の出し始めでは、あまり力まないで出し始めることを大切に。
FT
発声練習で注意したことは、ブレス。
胸が落ちているので、持ち上げるようにブレスしてもらったら、これがたちどころに良くなった。
ブレスと上手く合うと、喉の準備まで自然にされるくらいである。
柔らかく、しっかりした声の響きが中低音から聞こえてくる。
これを基本にすれば、後は高音で無理しなければ良いだけである。
この姿勢、ブレスを基本にしてほしい。
曲は、’O Marenaielloから。
これは、多少喉で歌っていたが、高音までOKの出来。
次にトゥーランドットの「泣くな!リュー」
こちらは旋律が平坦で、無理がないので、最後の1点bもクリア。
やや重すぎる声かな、とは思ったが、重さで行けてしまった感じ。
そしてトスティのIo ti sentoと続いた。
さすがにIo ti sentoは、高音の1点Aはギブアップであった。
今日は発声のことは、最初のブレスの仕方だけで、後は一切言わなかった。
このところ、細かいことをあーだこーだ言い過ぎで、本人の考える暇を与えなかったのではないか?と反省。
結果的には、まだ課題は山積だが、一歩一歩本人が判って来ていることが進歩の証である。
時間はかかるが、どうするとどうなるか?を体で覚えて行くこと。
そこから、一つ一つ潰して行って、最良のポイントを見つけて行くしかないだろう。