montparnasse.jpg芸術家という代名詞の意味が「わがままな反社会的な人種」という意味を持つのなら、
ぼくは、声楽教師という仕事を通して社会と関わることで、このレッテルをかろうじて貼られないで生きたことになるのだろうか?
自分が芸術家だ、とは露ほども思ってないが、わがままな奴というのは正しいと思っている。
そんな自分にもたった1曲だけだが、自分の歌と思える曲と出会えたのは幸せだ、と思える曲がある。
プーランクの「モンパルナス」という歌曲だ。
今日も生徒に教えていたが、ピアノ伴奏を弾いているだけで、この音楽が体中に染み入るような心持がした。
この曲の歌詞は、アポリネールの作品で、内容はある詩人のことを回想している。
大きなテーマは「芸術家」について、だろう。
「ホテルの門にある、2本の緑の木は、実を結ばない植物である。
自分はどこにいて、自分の花はどこに咲くのだろう?」と、問いかけている。
詩の回想の背景は、パリの街だ。
「どんよりとした曇り空と金髪の詩人の長い髪の毛。
その詩人はお人よしでちょっとおバカさん」と回想している。
まったくこの曲ほど、端から端まで、どこを取っても完璧なまでに魅力的な曲を他には知らない。
この曲が、なぜこれほどまでに自分を惹き付けるものがあり、魅力的なのか?
それがどうも良く判らない。
歌詞を紐解いても、音楽をあれこれ考えても。
解明は出来ていないが、どうやら先日撮影した丸子橋の写真をモノクロに変換して、画像を軟調に処理したものを見て、どうやら、同じ種類のものだと思った。
これが鍵になりそうである。
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