今日は昼間仕事、夜は家で一人レッスンの予定。
今度の11月29日土曜日に、ルーテル市ヶ谷センターのアトリエムジカC発表会で歌うドビュッシーは、取っつきは良いのだが、実は難解な作品だ。
「抒情的な散文」というドビュッシーの詩によるものだが、ドビュッシーの目指した世界がとても味わい深い。
彼が象徴詩を好んだということが、詩の様子からうかがい知れる。
テーマは女性や恋愛なのだろうが、そこから作り出すイメージの世界が、幻想的である。
だが、決して神秘的ではなく、フランス的なのだ。現実的だが、どこかシュールなイメージがある。
音楽も、脱ワーグナーを意識しているが、ワーグナーの影響を強く受けているのがわかる。
歌曲とはいえ、なかなかの大作で、構成も大きい。
ソプラノには低音の声が厳しいとは思うが、それにしても、どうやったら低音がもう少し出せるだろうか?
教える側としては、悩ましい問題なのである。
いわゆる女性の場合の地声というのは声帯がぴったり合った状態の振動だが、その声帯も
太くしっかり振動させるから、いわゆるガラガラとした声になってしまい、音程も♭気味になるので
クラシックでは忌嫌われている。
だが、低音をしっかり出すためには、ある程度避けて通れない部分でもある。
あと少しでわかりそうなところもあるのだが、わからないところも大きい。
さて、どうするか?
頭の痛い問題であるが、やりがいも大きい。