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マドレーヌ・マルローというピアニスト。
かつてフランス文化相であり、詩人でもあった、アンドレ・マルローの奥方です。
なんと!御年95歳!
14歳でコンセルヴァトワール入学、で、前にご紹介した、マルグリット・ロンに師事。
その後、オペラ座や各地で活躍されていたようです。
この方のピアノを聴くと、フランスのピアノ音楽教育の驚くべき底の深さを感じます。
以前、芸大に招請されていた、ピュイグロジェ先生に共通するものを感じました。
さて、このCDの中身は、サティのエッセーの朗読とサティのピアノ曲の組み合わせ、その他ドビュッシーなどのソロがあります。
全体に、何ともインテリジェンス溢れる雰囲気。
フランスの知性、ここにあり、というイメージです。
かといって堅苦しいアカデミックなものではなく、明るさや享楽的なイメージが感じられます。
ギリシャ的、アポロ的、理性と美の調和・・ってやつですな。
改めてフランス語の響きは美しい。
どう美しいか?というと、美味しい食事のような美しさです。
ワインの香り、チーズの芳醇な味わい。肉の旨み。魚とハーブの香り。
目には、ブルー、オレンジ、グレー、そんな彩度の低い、しかし明度の高いカラーが感じられます。
ドビュッシーのピアノ曲が、極上です。
この人、指が強いです。
だから、和音が明快だし、タッチが全て明快。
やはりフランスのピアノは明快さが身上でしょう。
ソフトとか、ふんわり、というのは、硬くてしっかりしたタッチを際立たせるための背景みたいな位置づけ。
この両者の正反対の陰影が、やはり大事なんですね~ピアノ音楽は。
フランスだからもやもや、ふんわり、というのは間違ってます。