こんな仕事しているからといって、いつもドイツリートだフランス歌曲だ、素敵なオペラよ~♪なんて聴いてるわけじゃぁない。
たまにカラオケに行って昔懐かしい歌謡曲や演歌を歌ったり、或いは聴いたりすると、気持ちがほっとしたりするのはなぜだろう?
今回貼り付けた動画は、ついこのあいだテレビで見かけて、思わず聴き惚れてしまった曲。
正にその見た実物を、こうして動画で見れるのだから良い世の中になったものだ。
2007年の曲だからもう古い。3年間も知らなかったのだから、いかに世間知らずか判る。
2007年といえば、母をなくした年だったな。
歌っていうのは、聴いた時の言葉の1フレーズに、心がぴか~!と来るんだね。
この曲の上手い所は「また君に恋してる」という陳腐だけど実に普遍的なテーマの1フレーズ。
「若かっただけで許された罪」って1フレーズだった・・・
坂本冬実さんも、プロの歌を歌ってるけど、ビリーバンバンの弟さんも、まったく枯れないで良い味出してる。
この人、こんなにいい歌手になったとは!
男っぽいけど、どこかナイーブな若い味がある。
言葉の扱いが、ほんの少しぶっきらぼうなのは、発声のせいなんだけどそれが彼の歌の味になってる。
ちょうど坂本冬実さんが一緒に歌ってるから、良い比較だけど、演歌歌手の歌はいわゆるプロのそれである。
声の扱い、言葉との混ざり具合、抑揚、フレーズの納め方、どれも完璧であるがゆえに無理がない。
ビリーバンバンとか、この時代のフォーク歌手の歌の技術と言うのは、古典的な意味で単純比較するとアマチュアだ。
だが、こういうジャンルの歌は、歌手のスキルがプロかアマか?という比較が必ずしも成立しないところが、面白いと思う。
クラシックもそういう歌手そのもののジャンルの違いが本当はある、というか、もっと出て来て欲しいと思う。
そのうち、ちょっと下手でもいい味出している声楽家のために「クラシックフォーク」なんてジャンルが出来たりして(笑)
母音の扱いがあいまいでちょっと声がささくれ立ってますが、なんかいい味出して歌うフォーレの「リディア」ですね~。男の純情を聞かせてくれますね~!(笑)