この曲は聞いたことがなかったですが、素敵な曲ですね。
やはり中世以来の伝統あるフランス合唱作品の重みをしっかり受け継いでいると思いました。
ヨハネス・オケゲムの子孫、と言う感じがします。
聞きなれたドビュッシーの和音や特徴的な3連符の使い方が多用されている、にも関わらず、
とても新鮮に聞くことが出来ました。
歌の音楽、いや音楽と言うものは、言語がベースになっているのではないかな、と思います。
正にフランス語があればこそ、このようなサウンドが出来た必然性があったということですね。
フランス、というとラテン文化を基本に想いますが、それは形式的なことです。
フランスと言う国の成りたちは複雑で、民族的にも複層的ですね。
どちらかというと、フランドルやケルトなどの北欧州の民族文化が核にしっかりあるように思います。
今回、この曲に限らずフォーレの合唱作品なども聞いてみましたが、フランスの合唱作品に限って言えば、歌曲に比べて合唱作品の方が、伝統の良さを感じることでした。
それは、サウンドが古いか新しいか?というレベルの話ではなく、中世から面々と受けついたフランス語の美しさの古典性が、合唱作品からの方が顕著に感じられたからです。
それは多分、合唱という音楽スタイルである、多くの人が言葉を歌い語るという点において、歌の内容とは関係なく何か民族的な集合体、コミュニティの持つ歴史が、自然に出てくるからではないか?と思います。
フランスの合唱作品
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