River run 武満徹
最近オーディオの機械類に手を入れて良い音になったので、旧いLPからCDからあれこれ聴いて楽しんでます。
その中で、数年前に入手した武満のオーケストラ作品集のCDが、相性が良いのか、音が楽しめるので愛聴してます。やはり良い音はいいものです。
自然の音を聴くと心地よいのに似た気分になります。
ところで、武満といえば現代音楽。
現代音楽、と云えば「無調音楽」
どうしてこの無調に拒否反応を起こす人が多いのか?
恐らく音楽に対して、ある種の人間的な感情を期待しているからではないでしょうか?
音楽は明るくしてくれるもの、楽しくしてくれるもの、泣かせてくれるもの、興奮させてくれるもの。
いずれも人間の感情です。
人間のこれらの感情表現は、自分に備わってますから判り易いです。
一方、自然と対峙した時にも感動したり感激したり、あるいは密かに快感を感じることがあるでしょう。
春先に感じる、微風に花の香りを感じた時。夕方の散歩時の物音。川辺の風や遠くから聞こえる物音、等々。。。
そんな時に、なんとも言えない幸福感を感じることはないでしょうか?
そういう感情は、上記のような感情とは明らかに違っていると思います。
武満徹の音楽を聴くと、そのような明快な感情の起伏の隙間に宿る、密やかな感情の小さなさざ波を想起させてくれます。
オーケストラ、という古典的な音楽の楽器を使って、自然界が偶然に(あるいは神のいたずら?)作りだした、人に幸福感を与える響きを産み出します。
この「川は流れる」というピアノとオーケストラによる作品を聴いていると、私は丸子橋のたもとで夕方から夜にかけて聞こえてくる、様々な物音や、光の陰影を想起するのです。
タイトル通り、あるいはタイトルにはないかもしれないですが、夜の川辺に見える光や都会の物音を感じて、しばしばリラックスした瞑想的な気分に浸るのです。
現代音楽について
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