おそらく、軟口蓋を上げる、喉を開く、という状況を発声の中で確実に使えるようになれば、ほぼ発声法の会得の50%は終わったといえるでしょう。では残りの50%はなんでしょう?
そうです、呼吸法です。
そして、この50%の呼吸法と、軟口蓋と喉を開くことの50%は、これも対をなすことで、まったく別個のことではないのです。
従って、以前にも書いたと思いますが、呼吸と喉を開く行為を対にすること、すなわちあくびをするようにブレスをする、という昔ながらの方法に合理的な理由が出来るわけです。
呼吸法というと、ともすればおなかを引っ込めるとか出すとか、膨らますとか、胸を開くとか、高くとか、胸やお腹や背中の筋肉の使い方に目が行きがちですが、実は喉の開き、軟口蓋の開きが出来ていれば、自然に良いブレスが出来るように身体は使えるものだ、と思っていたほうが良さそうです。
こういうお腹の使い方をするんだよ・・・という言い方は、まさに「あくびをするように」という古典的な発声法の比喩と同じく、たくさんあるのですが、これがまた、誤解を生み出す大きな元になることが多いからなのですね。
私も教えていて、一体どう言えば、こちらの意図が伝わるのだろう、と思うことが多々あります。
この辺りのことについて、これから続けて書いてみたいと思います。