A,aさま、初めまして。 アトリエムジカCの山中です。
最初に結論を申しますと、こちらでは、バロックの作品を教えますが、バロック発声という時代に特化した発声法は教えておりません。
理由は、ソロの声楽で、なおかつ初心者の場合、限定的な表現を目的とした発声よりも、基本を身につけることが大切だと考えるからです。
呼吸法と喉の使い方の基本は、最初が肝心なのです。 また、当然外国語の発音も絡みますので、これも基本があります。
私が考えることは、時代による発声法の違いも良いのですが、音楽に合った表現を自然に考えて実行するということです。
実際、今でもリュート演奏で歌を歌える機会が多くなりました。 考えてもみればわかることですが、あの楽器にオペラのオケ伴を想定した発声で歌う人がいたら、それはちょっと???ですね
リュートとその音楽に合わせた声の表現を考え、工夫するのが普通に音楽性のある声楽家であると思いますし、 それで十分美しいリュート歌曲演奏が可能だ、と考えています。
ただし「十分に美しいリュート歌曲演奏」と申しても、それは、正しい音程感と必要十分な声の響きと滑らかなメロディライン、そして美しいディクションが揃ってこそ、成立すると思うのです。
その上で、たとえばバロックのメロディ奏法に特有の音程感の表現とか、ビブラートの用い方、装飾音符の使い方、歌い方、という専門的なことは多々あります。
ただ、そのようなことと、声楽の初学に身につけるべきことを同時にやるのは、とても大変で、どっちつかずになると思われます。 以上、私の考えも合わせて申しました ご参考になれば幸いです。