OMさん
伴奏合わせだった。
「私はティターニア」は、演奏一般に破たんはなくきれいに歌えているが、まだ発声の課題が多く残っている。
中低音のピッチが低く、高音は前に出ない響きになる傾向があった。
発声練習なしでいきなりアリアだったので、1回目の通しは中低音の発声を無意識に鳴らそうとしてか?下顎を降ろした発声になっていた。
このため、響きが高くはまらないため、結果的に中音~換声点~高音というフレーズで、声の換声がはっきり出てしまっていた。
高音が明るく前に出ないし、中音域もピッチが低目で、全体に低いピッチの声になっていた。
2回目もあまり変わらず。
また、ステージングとしてみても、顔の表情がいかにも暗いのと、目がきょろきょろしてしまう。
特に、発声を意識してなのだろうか?目線を何度も下に向けることが多かった。
まずは確実に今すぐできることは、ステージングを正すこと。
目線を斜め上に上げてじっと遠くを見据えること。
このことは、見た目だけではなく発声的にも意味がある。
また、実際聴いていても、身体の芯がぶれずに美しく見えることで、声による音楽も安定して聞こえるようになるのである。
中音域から高音にかけては、なるべく上顎を上げるようにして高音への跳躍に対処すること。
高音への度数の少ない跳躍では、下顎を降ろさないようにする代わり、上顎を上げるように発声する。
武満徹「歌うだけ」はとても良い。
歌い廻しも表現力が増してきたし、アリアで直した発声のせいで、ピッチの良く前に出た良い中低音の声が気持ち良い。
ピアノ前奏は、テンポを遅くし過ぎないでアンニュイに。あるいは弱くなり過ぎないでけだるく・・という雰囲気がほしい。
ブルージーに歌えると理想なのだが・・・、ないものねだりかな、
ピアノがブルースを出来ると、歌も自然にブルースが出て来ると思う。
やり過ぎなくて良いが、たとえば歌にも自然なブルージーなポルタメント(こぶし)が付いて来たので、欲が出て来る。