ホロヴィッツの弾くピアノ音楽を聴いて思ったこと・・・

ホロヴィッツが弾くプーランクの「トッカータ」

この演奏のテンポは、真正プーランクの求めたものだそうです。なるほどプーランクがこのバカバカしいほどに速く指示したテンポの意味が判るもので、さすがホロヴィッツ!と思いました。

一方、同じ流れで聴いているとスカルラッティのソナタもプーランクとがとても良く似た音楽であるな、と思いました。
恐らく、いや間違いなくプーランクはスカルラッティの影響を受けていると思います。

ホロヴィッツが弾くスカルラッティのソナタ

ドン・ジョヴァンニのいた頃の世界をイメージしました。ヨハン・セバスチャン・バッハと同じ年齢で同世代なのに、バッハとまったく違う世界が拡がっています。
バロックと云うよりロココ的というのでしょうか。さすがナポリ生まれですね。

ところでこの2曲を聴いて思うのは、音楽は言葉だということ。
メロディを聴いていると、言葉をしゃべっているように感じられます。
早口でまくしたてるように喋ったり、早口で淀みなく明快に喋ったり、と云う具合。
ラテン的な気質を感じます。

ところで、スカルラッティの鍵盤作品は、ピアノではなくチェンバロを対象にして作られてます。
しかし、この録音を聴いていると、どう聴いてもチェンバロよりピアノの方が良いな、と思わされます。
いや私がピアノが好きだからかもしれません。