AS

モーツアルトのDans un bois solitaire et sombre
最初の声が、発声感がなく口先の声になっていた。
脱力とか喉を押さない、という意味を取り違えないで、発声をしっかり抑えて歌ってほしい。
ショーソンのLe temps des Lilas
これもモーツアルトと同じで、発声。口先で歌うイメージがあったので。
アーンの Le prmier rossignol des Lilas
発声練習でもやったように、基本の喉が高くなるので、1オクターブ下の声を出す喉の感覚で出だすと、喉が上がらない。

今日の発声の注意点をまとめると・・・

1、ブレスをすると同時に喉の準備が出来ているかどうか?
2、喉から口蓋にかけて良く開いた状態を意識出来ているかどうか?
3、肺に入るだけではなく、軟口蓋辺りにも息が入っているイメージが、上記のブレス時の準備状態。
4、古来これをあくびの状態、と云っていること。

以上のことが感じられなかったのは、特にブレス。
胸から下の肺に入れているだけで、喉から口蓋にかけての準備を作ってから発声することを、そろそろ確実に。
これは、ブレスを大事にしないと出来ないので、常にブレスと喉の準備を一体にして声を出し始めることを習慣にしてほしい。

UM

発表会を終えて、1カ月経ってのレッスンだったが、声の調子はとても良く、また課題のあったチェンジポイントの通過が
とても滑らかに出来るようになっていた。
細かいことを云えば、2点G以上で、やや喉で押している感じもあったが、それよりもチェンジが自然に出来ていたのと、
良い響きが感じられたので、あえて細かいことは言わないで、ひたすら歌ってもらった。

イタリア古典からDanza fanciulla gentile
Vergin tutto amor
Amarilli
Brilla nell’almaを復習

Danza とBrilla nell’almaは、テンポが速いが、まず拍を確実に打てるテンポ内で練習すること。
声が確実にならないうちは、テンポを速めないで練習すべき。
Vergin tutto amor これは彼女の声にとても合っている。激しく歌わないで丁寧に歌う持ち味が、この曲の本来の良さを出していた。
Amarilli ゆったりと歌えれば、とても美しい歌唱になる可能性がある。

発声、特にブレスで喉の準備と吸気を意識するための、声楽の腹式呼吸を分かってもらうため、バスローブをお腹に縛るようにして、
歌ってもらった。
これが効果的でブレスが持つ。慣れるまで少し疲れるが、歌いながらやることに意味があるので、練習時は常にこの方法を使ってやっておくこと。

HN

今日は、発声練習で高音チェンジの練習をしたが、なるべく口を開けないで対処することと、チェンジの2点Eを良く認識して、
ここから喉の下に響かせるポイントを移行するように、フレーズを歌うこと、その対処を教えて、練習した。
今日は、このことに尽きる。

そして全体に大変調子が良かったが、1曲目に比較的に低目のOmbra mai fuから始めたことも良かったのかもしれない。
特に収穫は、今まで懸案だったTu lo saiが、ようやく無理のない発声になってきたことである。
特に今日のチェンジの発声法が功を奏したようである。
イタリア古典からOmbra mai fu
そしてTu lo sai
これは、今まで相当練習したが、2点Eからの発声で、叫んでしまうか、ファルセットになって声が出なくなるか?の両極端だったのが、
今回は、その中間、あるいは当った声で出来かかっていた。
また、今までも1ページめはどうにか出来ていたのが、2ページめの最後は崩れてしまっていた発声が、確立できるようになったことが大きい。
今回の感覚を忘れないで、何とか次回につなげてほしい。
最後にPiacer d’amorを譜読みした。 高声用でちょうど良い感じ。
Ombra mai fuもだが、そろそろ声域がソプラノとして通用する発声になりつつあることを実感。

SM

宝石の唄は、伴奏合わせでパート毎によるテンポの緩急を良くつけられると良いだろう。
これは、歌詞の内容に即していて、極めて演技的な内容と結びついているから、歌詞の意味を良く分かっておくこと。
それは、ピアニストもまったく同じである。
そうでないと、約束事になってしまうから。

音楽は約束事ではなく、楽譜に書いていないことでも、やる必要があると思えばやるべきである。
それは、歌手でもピアニストでも、そう表現したいという内的要求があってのことであるが。
したがって、誰がどう歌っているか?という物真似ではなく、参考程度に聞いておいて、歌詞の内容に即した演劇的な要素を音楽で表現出来るようにするために、譜読みする必要がある。

特にテンポの変化を音楽から良く感じて、歌詞の内容を吟味しながら、テンポの緩急を良く感じて出すように練習することである。

発声は、腹筋を意識すべくHNさんもやってみた、バスローブでお腹をきつく巻いて歌ってみる方法を試した。彼女の場合、高音発声のためというよりは、むしろ中音域で自然な気道の開きを誘発する結果になるようだ。
特にL’absentでは、この方法が有効で、音程良くきれいな抑揚のある響きが出せて、この曲の良さが際立っていた。