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今日の発声練習は、声の響きのバランスがとても良かった。
しかし、ブレスと声のタイミングがピアノと合わなかったことが、少々気になりました。
曲を歌うときもそうですが、全体にブレスの重心が低いために、声も安定していますが、息が昇りにくい感じです。
息が昇りにくいという意味は、声を聴いてると、
胸が開いていないのではないでしょうか?
ブレスには積極的に胸の開き、胸郭を開くようにすることも、大切な要素です。
そのことで、息が上がりやすくなり、良いビブラートのついた柔軟なフレーズが出来ていくでしょう。
トスティの「夢」も、ピアノのルバートとアンサンブルが良く合って、伴奏を弾いていて気持ちがよかった。
ダイナミックの変化もついて、歌曲らしくなってきました。
甘く切ない歌詞とメロディの持つ詩情が良く伝わる歌になりました。
ピアノのルバートが出来ないピアニストだと、なかなか彼女の歌声の良さが出てこない面があるのが、少々心配です。
「セレナータ」は、初めてでしたので、テンポや歌い方の具合を見ました。
快活に歌うのか?ロマンティックに歌うのか?男性の恋の歌のように思われますが、女性が歌う場合は、男女逆転して歌えばよいだけのことで、固定的に考える必要はありません。
以上、2曲は、メロディの情感が良く出せる歌になった、あるいはなるだろうと思わせる歌声です。
惜しいのは、やはりイタリア語がもうすこし聞こえたいこと。
イタリア語の抑揚がもっと強く出ると、メロディの陰影がもっと強調されて、より「イタリアらしさ」が出ると思います。
武満徹から2曲「翼」そして「小さな空」共に、抒情的なメロディを純な歌心を出して歌えています。
「翼」は、「描く~」で歌う2点Eの「く」で、響きが少し抜けてしまうのが惜しい。
チェンジポイントなのでしょう。
ここは、意識して声を張って良いと思います。
「小さな空」は、今日はやりませんでしたが、前半で、もっとレガートでPに歌うと、より聴く者の耳を引き付けると思いました。
「死んだ男の残したものは」伴奏の手腕が大きいと、弾きながら思いました。
この曲に限らずなのですが、彼女の歌声は非常に素直であるために、感受性が豊かです。
伴奏が自由に表現を与えることで、彼女も自由にイメージをふくらますのだと思います。
1番の男は、どんな男か?次の女は?子供は?兵士は?彼らは?地球は?と変わっていくイメージを伴奏者もしっかり持って弾くことが大きいと思いました。