ピアノの伴奏は、声楽家にとっては命ともいえる大切な存在です。
オペラならオーケストラ。
ですから、ピアノはまさにオーケストラと同じ存在になるわけです。
そうやって考えれば、歌手に付き従っていれば良いか?というと、とんでもない!
自身の音楽をしっかり確立しているうえで、歌手の声楽家としての基本的なレベルを瞬時に判断して、足りない部分を補ってやれること。
この点で一番大きいのが、フレージングです。
レベルが低い歌手は、息のコントロールがほとんど出来ていませんから、伴奏で動かしてやらなければならない。
部分のテンポの緩急もです。
しかし、これらの細かいテクニックばかりに目が行って、ピアニスト自身の音楽がなければ、本当に生き生きとした伴奏音楽にはなりません。
この点が一番難しいですが、一番やりがいのある部分ではないでしょうか。
基本は自分の音楽性プラス歌手の力量を補い引き立てるテクニック。
この両者を持って初めて、プロの伴奏家といえるでしょう。