日曜日は3名のレッスンとなりました。
最初のテノール。
アリアは「トスカ」から「妙なる調和」を練習しました。
今まで高音の発声に苦労しましたが、今回のアリア4点bの高音発声をすんなりとクリアできました。
このところ、発声法の修正で、低いキーの曲を集中的に行ってきましたが、それが功を奏したのでしょう。
もう一点は、今日の発声練習で、ハミングを中心に低音からじっくり行ったことも良かったと思います。
この曲、大事な点は、6/8拍子が基本ですが、中間部で3/4拍子になります。
8分音符の音価は同じなので、間違わないように気をつけて対処することです。
プッチーニのアリアは、注意しないとリズムが適当になりがちですが、まずはきちっとリズムどおりに歌えることから始めてください。
2人目は体験レッスンでした。
高校から音楽高校で声楽レッスンを続けて、音大を出られた方ですが、発声が迷子になってしまい、困っていらっしゃるようでした。
聴いてみると、素直で自然な歌声で音程の良い声ですが、発声をあまり教わっていない、いわゆるフォームが未確定な感じでした。
フォームが未確定なため、声区が分かれてしまい、中音部の声が息漏れが多くなり、ブレスが持ちません。
また、高音の換声点から上も、ファルセット気味です。
このような発声になるので、アリアを歌うと、いきおい高音のロングトーンは勢いで叫んでしまう感じになります。
彼女の声のキャラクターは、レッジェロだと思いました。
換声点が高く、5点F~Fisくらいになります。
低音は地声が強いわけではないですが、地声の混ざりがあることと、高音で喉を使いすぎるため、1時間レッスンすると声枯れが起きます。
これからやっていくことは、なるべく低音からハミングで声の響きを高く細く集めて出せるようになること。
そこから母音の響き方を確定し、なるべく換声する意識を高いポイントだけに統一すること。
それから、ブレスが微妙に胸式が残っていることも、気になりました。
ブレス時にあくびをすることが、腹式呼吸との連関性を作り出すので、このあくびをするブレスの方法も、今後の改善点になりそうです。
最後の方は、長年の課題が急速に改善されてきて、非常に良い状態になってきました。
13年通ってくれましたが、結果が出てきたので、こちらも大変嬉しく思っています。
彼女は発声で、声を強く太く出す癖みたいなものがあって、これが中高音の音程の♭と高音発声での叫び声を強調してしまうことが課題でした。
中高音の♭は、声帯が開いてしまうこと、一種のファルセットみたいなものですが、母音のIを利用して、声帯を開き過ぎないように注意しつつ、下顎の力みを極力排するように注意しました。
現状でも、まだ下顎に力みが出ますが、ちょっと注意すれば改善できます。
今回、もっとも注意したのが、生理的な発声法ではなく、機嫌良く歌ってみること、でした。
感情の持ち方によって、喉の状態を自然に改善する、ということです。
特に中低音域は、この方法は有効で、自然な気持ちの良い歌声を得ることが出来るはずです。
集中力の方向が変わることで、発声の悪い癖が除去されるのだと思います。
その違いを、生理的な変化として捉えられれば本物だと思います。