TSS
今年は夏に風邪をこじらせましたが、発声上の基本的な成長が大きかったです。
特に課題であった中低音の発声は、ほぼ当初の目的を達成したのではないでしょうか。
地声を意識して気に使わない限りは、現状の中低音の声の響きで充分だと思います。
これ以上頑張っても、かえって抜けてしまうでしょう。
今後の中低音の課題は、声をもう少し前に明るい響きにするフォームを見つけられると、より歌いやすいでしょう。
具体的には軟口蓋を上げた発声が、もう少しわかると変わって来ると思います。
方法としては口を開けたハミングで響きが集まってピッチの高い発声が出来るかどうか?という点が判断基準です。
ところで、彼女を教えながらいつも感じていることは、声に対する嗜好性が本人の発声に大きな影響を与えるのではないか?ということ。
彼女から良く聞いた話ですが、イメージトレーニングです。
自分の頭にあるイメージで歌声を作ってしまわないか?
という点が心配でした。
発声は身体全体の作業です。
ブレスから声の出し始め、そしてメロディーラインを滑らかに紡いで行き、ブレスの終息でフレーズを終わらせる。
歌声発声の根本は、頭にある声のイメージを追うことではなく、声を発する行為そのものに向けられるべきと考えています。
どこかで聞いて来た声を真似て歌うのではなく、自分の声を作って行くこと。
良い声かどうか?という視点で判断しないで、いかに音域を広くまた響きがあってかつ長い時間歌っても喉が痛くならない発声。
もちろんフレーズを歌えば息が自然に持つ、というブレスの十分な長さも必要です。
このような視点、基準を自分の歌声を作って行くために持ってください。