2017年5月28日声楽レッスンノート
YR
レッスンに間が開いてしまったせいで、発声が戻っていました。
今一番覚えるべきことは、鼻腔を意識した発声です。
地声か?裏声か?という状況から、その両者を上手くバランスした声を得ることで、声楽発声の基礎が出来ます。
発声練習ではその点を考慮して、ハミングの練習をしました。
後で行う母音発声に移行するために、口を開けたハミングであることとピッチを高く意識することです。
このハミングの練習が重要になります。
このハミングから母音へ、という変換をして、母音発声での地声と裏声との二極化を防ぐように練習して行きました。
コンコーネは5番を練習しました。
ほとんど問題なくきれいに歌えていました。
なるべく最低音で地声に落ちないように意識することは覚えてください。
イタリア古典歌曲集から、アマリッリを練習しました。
歌声よりも、譜読みのことが中心になりました。
特にカデンツの部分のリズムが難しいので、譜面に拍子の区分を書き記して、理解の助けとしました。
拍子だけなら理解は早いですが、やはり付点音符が苦手のようです。
付点音符は、細かい下位の音符で割ると、3つになることを覚えてもらいました。
すなわち、付点四分音符なら8分音符が3つ分。付点8分音符なら16分音符が3つ・・という具合です。
その上で、その3つがつながっている、という理解のし方をすると、明快になると思います。
漠然と、1.5という感覚で歌おうするから、不明瞭になるのだと思います。
TSS
コンコーネOP15の6番は、ほぼほぼ良い出来上がりでした。
良かったのは、5点Aまでの高音の響きが一段と磨きがかかって来たこと。
後は、フレージング滑らかさを更に磨きをかけてください。
「連隊の娘」の「さようなら」は、テンポが速めで、これもフレージングが荒っぽいのでテンポを更に落としてみました。
テンポを落すことで、より滑らかに歌うことで、この曲の悲劇的な表現を増すことが出来ると思ったからです。
「ラクメ」こちらは、聴いていると喉の重心が高すぎて超高音が出せなくなるケースと、お腹の支えが効かない、つまり呼気がほとんど使えない状態で歌ってしまうために、
結果的に高音発声が締って潰れてしまうケースである、と思いました。
スタッカートの練習で、高音に上がるほど喉下の窪みを狙うようにする練習をしました。
この場合は、特に超高音で有効で、6点C以上でやってみると効果が感じられると思います。
5点Aより下は、太く当たってしまい逆に声が暗くなってしまうでしょう。
ただ、当て方だけではなく当てる方向も意味があり、後ろに回すようにする方が、綺麗な響きになりそうです。
TM
発声上の癖の問題の指摘と、矯正法になります。
誰しもそうですが、発声の課題として、歌い出しの構えが悪い方向に入ってしまうことです。
一見ちょっとした違いですが、歌はフレーズですから、それがフレーズすべてに影響してしまうことが、一番問題なのです。
ですから、声の出し始めということは、十分気を使って覚えてほしいことなのです。
構えがなぜ悪いか?というと、筋肉を固定化する傾向になりますので、フレーズを歌っていく際に、必要なリラックス、弛緩が得られにくくなることにあります。
どこが構えの問題点になるか?というと、ブレスでおとがいに力を入れて、喉を固定しようとする作業だと思います。
これは、一見大きな声が出せる支えの感覚を生み出しますが、これが声の響きを暗くして倍音の少ない声質になるのです。
倍音が少ない声質は、平たく言えばこもった通りの悪い声質なので、効率が悪いです。
また固定化された喉のせいで、必要な筋群が緊張して、高音発声に必要な働きが阻害されるでしょう。
高音発声は、筋群がもっとも緊張を強いられますから、その反作用である弛緩状態をフレーズ中で持てない限り、難しいことになるのです。
現状は、低音域でのハミングで薄く高く当てることを覚えること。
その状態から、今度は口を縦に開けた状態で、同じようにハミングが出来ること。
そして、なるべくハミングに芯がある状態のまま、出来る限り高音域まで持っていけること。
これだけ練習しておけば、次の段階で必要な鼻腔を使った発声がしやすくなるでしょう。