ASY

発表会の感想から、集中力や緊張の問題を話しました。

私の考えは、ステージでの緊張は良くも悪くもあったほうが良いと考えています。
もし緊張がないとすれば、それは基本的にステージで人前で歌を歌う、という行為を意識していないということにつながるからです。
何のために歌うのか?誰を前に歌うのか?という基本がしっかりあった上で、どうするのか?どう歌うのか?という考えがあれば、自ずと緊張するはずなのです。

何のためにステージに出て、何のために歌を歌うのか?と理屈っぽく追及してみると、目的意識が明快になって、良い緊張が生まれるかもしれません。

今日はフォーレの「イブの歌」1番から6番まで1番を除いて其々2回ずつ歌ってみました。
譜読みは問題ないので、今後は少しずつ暗譜できると良いですね。
近い将来、全曲を通して暗譜で歌えれば理想的です。

TSS

発声練習で注意したことは、声の出し始めで息(声)を出し過ぎないで、響きそのものを集めて細く小さく当てることです。
これを行うためには、呼気のコントロールが重要になりますのでお腹の支えが必要です。

どこをどう使うか?が明快にならないと、呼気のコントロールが出来づらいため、声の出し始めで息を強く送ってしまうのです。
これは中音域の4点b~5点Cくらいの発声ですが、これが換声点5点Fを超えた発声にも影響が大きいです。

なるべく呼気を強く使わないで、いかに声帯を合わせて響かせるか?という発想が必要です。
息は声帯を振動させるというイメージよりも、むしろ声帯を合わせるために息を吸う、というイメージです。

そのためのブレスのお腹の使いかたと、顔の姿勢が必要です。
下腹部を少し引っ込めるように力をかけた状態で、斜腹筋から背筋に適度な緊張のある状態でブレスをすると、自然に上腹部(胃の辺り)が膨らみます。
そして、顎を前に出さないように声を出し始めます。

声帯がピンと張られた感じで中低音の発声が出来れば、完成です。

コンコーネのOP15から11番そして、ヴェルディのLa zingarraと椿姫から「花から花へ」を練習しました。
「花から花へ」は、途中省略して歌うので、最後の最高音も声の耐性は問題なさそうです。

コンコーネは次回は12番からで良いでしょう。

ST

今回は、口の開け方に工夫を凝らして良い成果を得ることが出来ました。
前回まで、声帯を合わせるように単純な発声を覚えたことで換声点で引っかかっていた発声が、少しスムーズになってきました。
また、中低音でも声が明るく飛ぶようになってきたと思います。

しかし、響きが痩せた感じで豊かな深みのある響きになりません。

そこで、単純に口を開けた発声を意識してもらいました。
これは、一発で上手く行ったと思います。
これまでの蓄積の中で、この口を開ける発声と開けない発声の違いが、難しかったのです。

この理由は、喉を舌根で押し下げる癖が強くあったことによるものです。

そこで、喉を脱力するために、喉そのものに意識を持って行く発声練習し、脱力できるようになってきたので、下あごを楽に下ろして
口奥を拡げる様に発声するようにした、という順番です。

モーツアルトのExultate jubilateを練習しました。
メリスマがかなり明快になってきました。
急がないでゆっくり練習することが肝要です。