これはとにかく懐かしい。
無理をして希望しない大学に入ったが、遠く通いきれず脱落していったあのとき。
むなしく時間をつぶした渋谷のジャズ喫茶のSwingで、店のおやじさんにリクエストして聞いていたのがこのフレディ・ハバードのアルバム。
3曲目のMoment to moment を聞くと、あのなんとも悲しく空しいやり場のない心情がまざまざと思い浮かんでせつなくなる。
そんな昔のことも忘れ、父も母もあの世に行き少し気持ちに落ち着きが出てきたころ、あのSwingのおやじさんがとっくにあの世に行ってしまっていた事を知った時の喪失感といったらなかった。
それは空白の10年くらいだったのか。
確か90年代初頭には、渋谷の公園通りの横丁に移った店に行き、話もせずおやじさんが変わらずコーヒーを入れる横顔見ていたのだが、気が付いたらあの世に行ってたのだ。
そういうことが、ここのところ多くて寂しくて仕方がない。