7月14日土曜日、アトリエムジカCとしては今年初の発表会が終わりました。
以前に告知しましたように、今年はドビュッシー没後100年ということで、私が敬愛するドビュッシーの器楽曲と声楽曲を特にピックアップして発表会のプログラムに加えさせてもらいました。
プログラムの細かい講評は、器楽の部とレッスンに来てくださる生徒さん方の2部構成にして、後日別ページで順次ご紹介して行きますので、しばらくお待ちください。
全部をまとめてやろうとすると、多分1か月以上かかりますので、器楽→声楽発表、の順に掲載していく予定です。
今回、器楽曲はピアノソロと2台ピアノ、そしてトリオによる室内楽の3本立てになりました。
ピアノソロは、映像第一集を弾いてもらいました。
この曲は、ドビュッシーらしく「水の反映」「ラモー礼賛」「運動」という詩的なタイトルがついた3部構成です。
3曲の音楽的な違いの中に、運動の形とその流れ方そして音色という要素を、ピアノという楽器で思う存分楽しめる演奏でした。
夜の部では、フルート、ヴィオラ、ハープによるドビュッシーのソナタが演奏されました。
この曲は晩年の枯れた音楽なので、バリバリ声楽愛好家の皆様や一般のお客さまにはどうか?という危惧がありましたが、
大変好評のようでした。
なんといっても、それぞれの楽器の音色の豊かさ、深さ、そういったものがじっくりと心行くまで楽しめたのではないでしょうか?
プロの演奏の何たるか!を見せつけられた思いがいたしました。
そして2台ピアノのための「白と黒で」の1曲目。
この曲は、今までもレコードや動画で何度も聞いて来ましたが、ドビュッシーの音楽の現代性の何たるか?というものが良く分かりました。
絵で言えば、シュールレアリズムの作家たちの絵です。
つまり印象主義時代のセザンヌやルノワール、モネといった画家たちの絵に比べると、ピカソやブラック、ミロ、シャガール、あるいはマチス!
こういった画家たちの絵との違いといえば、皆さん良く分かるのではないでしょうか?
声楽の生徒さんたち、あるいは声楽愛好家の皆さんには、このようなピアノ曲や室内楽の良さ、面白さを知っていただきたい、とかねがね思っていました。
それは音楽表現の重要な要素である「正確に描写されたものが表現する美」という点で、声楽ではややもすれば欠けてしまうものがいっぱい詰まっているからです。
今後も機会を見て、このような器楽曲の良さをも含めたコンサートを出来たらと考えております。