2018年7月14日アトリエムジカCコンサート昼の部講評

昼の部は、ドビュッシーと一般の発表会混合のプログラムになりました。

実際のプログラム全体を終えての第一印象は、ホールの良さです。
以前にこちらで発表会を開き、講評を書いた時も同じなことを書いたと思います。

適度な残響時間と、外光を取り入れた秀逸なインテリア。
素晴らしい響きのピアノ。どれを取っても一流のホールだと思います。

その残響が、実は演奏上の難しさにつながる場合もあるのかな?思いました。
響きに載せられて声を出し過ぎたり、ピアノを叩きすぎたり、と一言で言えば残響が心地よいので、耳が甘くなってしまうことです。
間合いを良く感じること、自分の声や楽器の音をよく聞くことと、いう2点を大切に演奏することが要求されると思いました。

今後も、こちらのホールの良さを見直して、使わせていただきたいと思います。
ただ、土日は難しいので平日の夜、ということになるでしょう。
皆さんのご意見もうかがいつつ、今後のことを考えて行きたいと思います。

お知らせ
各人の動画は、各画像にリンクされていますが、不要の方あるいはご自身で撮影をされた方に関しては掲載しておりません。

SKM TM TSS MR NC HT EK

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SKM 演奏は、良い集中が感じられるもので成功だったと思います。
メゾソプラノを目指している彼女ですが、これまでの指導の結果として思うのは、キャラクターと声質がソプラノ嗜好ではないか?と思います。
今後、もう少し高音発声を覚えてもらいながら、本人の理解と嗜好を決めてもらえればと思います。
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TM

カンツォーネを端正に美しく歌えた好演でした。
これまで、発声を悩んできましたが、ようやくテノール系の発声に落ちついたと思います。
特に良いのは、高音のアクートが出来てきていることです。
またパッサージョの扱いも良くなりました。
低音は犠牲にしても良いですが、息漏れをしない発声は覚えてほしいです。
これからも期待しています。

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TSS
レッスン時に比べると、緊張が高かったのか?歌声に不安定な一面が出ました。
恐らくホールの響きに戸惑ったのか?調子がつかみ切れていない印象を持ちました。
私もですが、小さなサロンはお客様が間近にいて緊張しやすいため、大きなホールの方が歌いやすいこともあるでしょう。
そのため、伴奏者との十分なコミュニケーションが大事です。
技術的にはブレスに未確定要素があり、この点を今後の課題として開発に徹底してください。
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MR レッスンでやってきた通り、丁寧に息をコントロールして歌うという点に進歩が感じられた演奏でした。
しかし、まだ息のコントロールが必要と思います。
声のポジションが微妙に下がったため、響きが少し割れた状態が続いてしまった点が惜しい。
緊張が声を大きくしてしまったことが、全体に声の割れにつながったのでしょう。
緊張しても、余計に声を張らないこと、を相当に意識する癖をつけてください。
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NC 難しいコロラトゥーラの作品を、破綻なく歌い通した点は評価します。
惜しいのは、練習不足。
もっと練習を積んで、伴奏合わせをしていれば、作品の楽しさが倍加したと思います。
練習の大切さ、アンサンブルの重要性をしっかり理解して、次回に臨んでください。

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HT 練習時に比べると、全体に緊張の強い演奏で、大らかさや朴訥な男らしさという曲の持つ美点が表現しきれなかった点が惜しかった。
緊張のせいもありますが、本来かなり難しい歌曲だと思います。
一音一音の声を踏みしめるように歌う傾向が強いですが、踏みしめるのではなく綱渡りのように流れていくメロディラインを歌えるようになってほしいのです。
フランス語の発音は、努力の甲斐あって、だいぶきれいになってきました。
今後もこの点を忘れずに、フランス歌曲に励んでください。
ドラマティックな曲は達成感がありますが、もっとシンプルで音域の狭い曲を歌うことも、良い練習になると思います。

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EK 第一声から、良い響きの声が聴かれて、彼女も本番に慣れて歌えるようになったな、と感慨深いものがありました。
どこをとっても発声に対する気遣いが感じられる、誠実な歌声でした。
集中力もほぼ満点の出来でした。
これからも、好きな歌を思いきり歌って行ってください。

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