このタイトルをよく考えてみれば、本来が声楽式呼吸と言えば良いのだと思います。
ただ、今回の一連のブログを書くきっかけになった方の呼吸が、昨今にしては珍しいくらい胸だけで吸う方だったので、あえて、腹式、という言葉にこだわって書いてみました。

これまでも書いて来た通り、呼吸の方法を言葉で表したり、実際に指導するのは、なかなか難しいものです。
また、各人によって微妙な違いもあります。

大切なことは、歌声が安定して声の強弱が自在につけられること、フレーズの長さの長短をコントロール出来ること。
そして歌っていて苦しくないこと、です。

この状態まで行くためには、呼吸法だけではなく、喉の問題、つまり声帯の扱い方も同時に勉強しなければ理想的な呼吸法とはいえません。
呼吸法だけ会得出来ました、では声楽の呼吸法ではないですよね?

喉の呼吸の関係は、つまり弁とポンプの関係になります。
井戸の手押しポンプを扱ったことがありますか?

あれは呼び水と言って、手押し井戸ポンプの中にある程度水を入れておかないと、深い井戸の底から水を引き上げることが出来ないのです。

歌声の発声と呼吸の関係も、これによく似たところがあります。
次回から、この点を声帯の働きと共に書いていきたいと思います。