今年後半の大きなイベントは、11月10日にSONORIUMで開いた、私自身のリサイタルでした。
プログラムは、フランシス・プーランクの歌曲とピアノ独奏でした。
1、動物小詩集youtubeで開きます。
2、4つのアポリネールの詩
3、即興曲4番(ピアノ)
4、アポリネールの2つの詩
5、即興曲15番(ピアノ)
6、モンパルナス
7、マズルカ
8、ガルシア・ロルカの3つの唄
9、即興曲7番(ピアノ)
10、ルイ・アラゴンの2つの詩
11、メランコリー(ピアノ)youtubeから開きます。
12、冷気と火(ポール・エリュアール)youtubeで聞けます。
予定通りのアンコールは、アポリネールの「月並みな話」から「ホテル」と「パリへの旅」を歌いました。
プーランクの作品をご存知の方は、プログラムを見ればお分かりの通り、前半はオール・アポリネールの詩によるもので、後半を様々な詩人による形にしました。
特に最後の「冷気と火」は、ポール・エリュアールの詩によるもので、プーランクの最晩年の傑作です。
今回のプログラムは、プーランクの生涯の初期から晩年までの、シャンソン風のものからシリアスな作品までを概ね分かりやすい音楽という指標で選びました。
会場のSONORIUMは、オーナーさんのこだわりによる大変贅沢な空間で、残響もあり歌いやすかったです。
録画で自分の演奏を聴きなおしてみると、弱声で歌ったつもりが、全然弱声のフレーズになっていないと感じる場面も多々ありました。
この辺り、声という楽器の扱いの難しさをつくづく感じました。
ピアノは、2年前に私のリサイタルで伴奏を務めてくれた石元さんです。
伴奏、独奏共に充分に満足の行く演奏を披露してくれたと思います。
特に弱音への配慮と、間合いを取ることにおいて前回よりはるかに上達したと思います。
蓋を全開にしたフルコンサートピアノで、実に良いバランスで伴奏を弾いてくれましたし、
ソロの演奏でも、程よい音量のコントロールは確実に上達していました。
さて、今回の演奏全体のダメ出しを書いておきたい。
今回は、自分の歌声の調整とピアノとのアンサンブルを徹底すべく多くの伴奏合せをしました。
これまでは、私自身が熟考せず実行してしまう短気な性格のため、ピアノとのアンサンブルをかなり端折っていた点を猛反省したわけです。
具体的には、歌っている時のピアノ伴奏の音量の調節を的確に指示することであり、またピアノ伴奏のリズム感と歌手が感じるリズム感との違いを擦り合わせるような事です。
伴奏のリズム感と音量が歌手のブレスに大きな影響を与える、ということを歌手自身が良く理解していなければ自分で修正出来ないでしょう。
これは相当経験が要りました。先生に就いていて、その先生を信用していれば、先生を任せれば良いのですが、先生が居なければ、歌手かピアニストかのどちらかが、
この問題を的確に察知し、解決する能力が必要になるわけです。
案外とそのことに気づかずに、ピアノに乗せられて歌わされてしまっている点が、歌手の難しさ、、いや私の能力の問題なのだ、と強く気づいた今回の練習でした。
また机上の曲作りではなく、実際に歌ってみて音楽表現のイメージを練るという意味も多くありました。
もうこれで良いだろうと思うくらいやりましたが、結局本番ではモンパルナスは語り過ぎてしまい、静かで美しい旋律線が大雑把になってしまった。
あと、アポリネールの2つの詩の1曲目「アンナの庭で」は、テンポを速めるところを調子に乗って速すぎてしまいました。
恐らく、つられてピアノも速くなってしまいまた音量も大きくなっていたようです。。。
ルイ・アラゴンの2つの詩1曲目の「Cの橋」の声は、換声点近辺で難しかったのですが、直前に発声のイメージが沸いて本番も上手く行ったのですが、息が伸びず、
フレーズ感が短くなっってしまった点が惜しかった・・
これは他の曲でもありますが、どうも本番になるとテンポが前のめりになり、フレーズが短くなるのが未熟ですね・・・。
本番でエキサイトしてしまう点が、大いに反省なのです・・・・。
他の曲については、概ね想定内と思えました。
結果的に、自己評価としては総合点70点の出来か?と思っています。
今後も、元気なうちにリサイタルをやりたいと考えております。
次回は何をやろうか?お楽しみとして残しておきたいと思います。
コンサートに来てくださった皆様、ありがとうございました。
また、ピアニストの石元さんをはじめとして、当日ご協力くださった受付の林さん、録音・録画、写真撮影の吉川さん
そして全体を統括してくれた、ステージマネージャーの花村さんの皆さんには、改めて心からの感謝を申し上げます。
最後ですが、会場のSONORIUMUは本当にオーナーさんの対応、スタッフさんの対応含め、ピアノとホールの響きも満足の行く会場でした事、ここに書いて終わりとしておきます。