TNA
発声練習は、換声点の5点F~F♯で口を開けないようにすることを試みてもらった。
開けると、声帯が開いてしまうようであった。
開けないで喉下に閉じ込めるようにして出してもらうと、上手く当たって響きになりやすいようであった。
そこから上は開けて出した方がよさそうである。
コンコーネOP9の32番
あまり大きくない声で、軽く語るイメージ。優雅さを大切に
2回通して上がりにした。
ドビュッシーの「2つのロマンス」は、低音で声色がこもらないように舌をE母音のように
持ち上げる感覚を出すことで明るく通る低音になる。
それとEvaporeeと発音する際に、狭いeの前のOの口を変えないでそのまま、舌だけでEを発音すると狭いeになる。
この狭いEが、しばしば広いEになりやすいので要注意。
声を張る個所と、弱く歌う箇所の違いを明快に。
これは、2番目の「鐘」では、全体に要求される。
1番の場合、音域が低めのため、弱声でも響きが要求されるため、軽くとは言えない面があるが、2番は声の柔らかさと軽さがとても重要。
なぜか?というと、音楽が表現しているものが、声に要求してくるのである。
つまり、歌詞を語る語り口の違いということになるだろう。
伴奏がBGMで歌が朗読になる。
モーツアルト、ドン・ジョヴァンニのエルヴィーラのアリア。
力強く感情的に歌えている点が良い。
高音も無理なくきれいにメロディを歌えている。
TM
低音発声の練習に時間をかけた。
声の出し始めで喉を固くしないように。
特に低音で息漏れなく出し始めるには、感覚の養成に日数がかかる。
声をずり上げてもいけないし、息漏れも駄目。
喉を真の意味で深く感じて、深い場所から一瞬で出だす感覚を養成。
唾を飲み込んだ時にごくっと感じる辺りから声が出る感じである。
ドビュッシーの「美しい夕べ」を練習した。
基本的に喉を良く開けて深い声を出す練習となった。
バリトンかテノールか?ではなく、息漏れがなく、より器楽的な声の響きを重視していることと、
ピアノ伴奏の和音との関係が密な声の響きという点で、実音域の響きを醸成するために喉(気道)を良く開けた深みのある声を重点的に練習した。
昔からよく言われるように、良く喉を開けた声というのは、今日練習しで実現できた声のことである。
気を付けるのは、今は弱声を意識すると息漏れ声になってしまうこと。
そのため、PとかPPと書いてあっても、弱声を意識しないで、喉の下がった気道の良く開いたフォームで深い共鳴が出る声を目指してほしい。
そのためには、息の速度が必要なので、必然的に弱声ではなく、やや強めの声ということになるのである。
曲のサビになる個所の強音で歌う最高音4点Fシャープの声は、慣れるまではA母音で練習し、喉を開けたまま高音まで達せられるようにすること。
慣れたら歌詞を付けて、Qu’on est jeune et que le soir est beauのフレーズでは、特にSoir estを発音するときに、喉を最大限開けておいて、そのままの喉を維持してBeauを発声すること。
Elle a la merの声の出だしに十分注意を。
喉奥まで意識して、深い場所で声が出だすように、ただし声をずり上げないよう充分に注意して。
Elle とAはリエゾンしない。
同様に、次のフレーズの NousとAuもリエゾンしない。
最後のTombeauの声は、O母音なので、喉を開けることだけに意識が行くと、添乗が低くなって息が流れない♭な声になる点を注意。
喉を上げないようにして、軟口蓋も高く意識すること。