TM

発声練習の中低音域がなかなか良い声の予兆があった。
また低音も以前より更に下に響きが伸びてきた印象があった。
力みが取れてきたのだろう。

曲はプーランクのLes chemins de l’amourから。
中低音であごを引いた姿勢が、彼の場合声の暗さとかピッチの低さにつながりやすいので、顔を上げるように指示した。

これが非常に効果があり、明るい声、倍音出る声の響きを生み出した。
おとがい辺りの力みがなくなるのだろう。
ただし、喉の開いたフォームの意識は必要で、これがないとただの浅い声になってしまう点に注意を。
この方法で全体に声を調整。高音はなるべく開放的に自然に伸ばしていく感覚を。

フォーレのApres un reve
冒頭の上行音型のクレッシェンドの仕方に及んだ。
息の増加の仕方。

最後のフレーズの低音の鼻腔発声。
下あごを降ろすと喉が不要に下がるため、響きが落ちてしまうこと。
ここは低い共鳴は作らない方が賢明であるから。

「9月の森の中で」
これも中低音の深さがあるが明るい声質を得ることでピッチが良くなり、ピアノ伴奏との和音感が非常に良くなる。
この曲はそういう良い声と伴奏和音とのハモりがとても大事な作品である。