MMH
発声練習は終始軽い声で5点Gくらいまで上下行した。
コンコーネは30番を練習。
ざっと通すと、やはり軽い声できれいに歌い通せた。
譜読みもほぼ間違いはない。
練習は、音楽が表現している勇壮な雰囲気、力強さを感じて歌ってもらった。
発声面からは、頭部に軽やかに響かせる意識ではなく下あごを降ろして発音することで、
声帯の太さを十分に使う発声となるよう促した。
基本的に、この発声で声の震えや不安定感はなくなるはずである。
つまり歌声に対する息の支えが安定する、ということになる。
それは声の出し初めを低く構えることが、一つの方法。
息と声の出し初めの関係が定着すれば、声質は後で細く高くということにもなるだろうし、表現と個人的な嗜好性によって変えて行かれると考える。
曲はドビュッシーのBeau soirから。
これは以前に習ったことがあるそうで、フランス語の発音でおかしなところは少なかった。
声がこの曲想によく合っていた。
ピアノ伴奏の和音と声のピッチとの関係を、部分的に練習した。
合唱のハモりの代わりにピアノとのハモりということ。
ベッリーニのIl fervido desiderioは、前回に増して上手になった。
繊細で細く動くフレーズ感が、とても美しかった。
これは上りにして良いだろう。
Dolente immagine
これも良く歌えていた。これも細部の修正で一旦上がりにした。
L’abbandono
全体の流れや、調子の変化はとてもよく音楽的に歌えている。
最後のページの高音の発声で、口を微妙に横開きにするためか?声が抜けるので、縦開きを促した。
レチタティーヴォにあたるところ、A CheのAの4点A♭が強く押すと♭になる。
軟口蓋を良く使うか、下あごをしっかり降ろすか?声全体のバランスからすると、軟口蓋を良く使う方が明るいピッチの声になるだろう。
ここは小さな換声点になるので、下の声か?上の声か?喉が迷うところになるため、音程が外れやすいことを覚えておくと良いだろう。。