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発声練習のトピックは、腹から声を出すことと高音換声点の発声。
腹から声を出すことは、大きな声を出すことの意ではなく横隔膜の反応が喉とつながっている声という見方である。
これを喉が下がっている声と解釈しても良いだろう。
深い声ともいえるかもしれない。
いずれにしても、口先で出す声ではないこと。
ブレスをして腹が反応してその状態を維持して出すということになるだろう。
維持するために下腹部に力を入れるという感覚が生まれるわけである。
換声点の発声は早めの対処が重要。
まだまだ喉が高い方に行きたがる発声の癖が強い。
これは音程の感じ方という側面もあるだろう。
また恐らく無意識だと思われるが、喉そのものに意識を向ける傾向が弱いのではないか?
逆に言えば、高音になるほど喉から離れようとしているのかもしれない。
逆であって、高音になるほど喉に集中していくこと。
そのために息を強く押さないことがその逆作用を可能にするだろう。
コンコーネの最後の50番を練習。
2回くらいを通して、高音も慣れて軽く歌い通すことが出来た。
4点Dが良く出てくるが、この音程における喉のポジションが安定できれば4点Fも成功率は上がるだろう。
イタリア古典歌曲からDimmi Amor
音楽の雰囲気が彼の声に合って、なかなか良い感じ。
高音発声が課題になるだろう。
特にI母音の処理が難しい。
いろいろやってみた今日の結論は、ブレスのやり方が喉を決めるということ。
たとえば休拍を挟んで高音発声になると喉が上がってしまうケースがある。
休みを入れないでそのまま歌うと上がらないことが判るだろう。
このようなケースから、喉を上げないで高音発声できる感覚をつかんでほしい。
最後に小林秀雄「落葉松」合唱作品で有名な独唱版は変ホ長調。
こちらは歌いやすいメロディラインのおかげで高音の4点Fに苦労が無いようである。
弱声を意識せずに良い声で朗々と歌うことを先ず覚えてほしい。
そのことから喉のフォームを覚えて、同じフォームで弱声発声を導いて行くべきと思う。