SNT

発声練習では、5点Aから換声点ということを意識するために、下あごを降ろして口を開けた発声を練習した。
このことで細くファルセット気味になる声を抑制して、しっかり声を吐き出す高音発声を覚えてもらった。

パノフカは14番。
シンコペーションのリズム練習になった。
当初に比べるとリズム感の良い歌声になったと思う。
途中Ritになってから、A tempoに戻る個所に練習の要有り。

フォーレのレクイエムからPie Jesu 
弱声で綺麗に歌えているが、歌う精神性を大切にしないと意味がないこと。
精神性によって、声の鋭さや純粋さが自ずと出てくること。
テンポの問題は、自分の声に合わせて歌うことで決めればよいこと。

同じくフォーレの歌曲から「蝶と花」
言葉数が多いので、読みの練習を一通りやってから歌ってもらった。
先ずは読みを徹底することが先決だろう。

ベッリーニの「夢遊病の女」より「ああ、信じられない」
レチタティーヴォからアリアまで一通り歌ってもらった。
譜読みの進度が浅いので、まずはイタリア語の読みと

MMH

発声練習。
換声点の発声が上手くなったので、更に上の換声点5点Aからの発声について。
彼女の場合は、やはり喉が上がってファルセット性が強くなるので、喉を上げないようにする方法を教えた。

1つは、その換声点領域にかかる前から軟口蓋を上げず、むしろ下げる感覚にしてみること。
そのことと対で、下あごを降ろして行くこと。
この1セットの行為で喉が開いた良い意味で開放的でしっかり響く高音発声のまま6点Cを目指せること。
ただし、音程が合っているという条件はもちろん外さないということである。

後は中低音域がこもり気味になる点を修正するため、ハミングとハミングから母音に変換する発声を練習。
結論的には中低音で鼻腔共鳴を覚えるのに良い方法である。最小の呼気で最大の響きが生まれることと、当然ピッチの良い声になるため明るい声になる。

これと関連してJajajajaで中低音域の練習。下あごを動かさない事。
これも動かさないことで鼻腔共鳴的に中音域が歌える。結果的に歌詞発音に影響されずにレガートに歌えることにつながる。
ただし換声点からのどが絞まるので、口を開けて行くことで呼気を誘発するようにする。

コンコーネ38番。
これも低音に降りる際に口を閉じて低音側を鼻腔共鳴に持っていくようにすることで、正確案低音側のピッチを確保できること。
またクレッシェンドで喉を開けて行くことで呼気を増加させること。

ドナウディのAmorosi miei giorni
母音が暗い傾向になることを、イタリア語の朗読を使って改善した。
単に喋るトーンをなるべく高くして発音することだけである。
発音自体はとても上手である。母音の違い、特にU母音がしっかり閉じている。

ただ歌になると開いてしまうのは発声の影響であろう。
口先を閉じることを忘れないように。

ドビュッシーのRomanceは、弱声の使い方とテンポ感が良くなった。
Mfだけ強すぎないように気を付けて、最後のフレーズはブレスに気を付けて良く伸ばせるように。

「星の夜」
メロディを綺麗に歌うことは出来ている。特に偶然の産物だったが高音は引けた声で綺麗でこの曲の表現に適っていると思われた。
語尾のあいまい母音も上手い処理。
子音の発語に工夫を。
フランス語特有のyi,waを上達しよう。また語頭のRの子音発語は明快に。

En sourdine
むずかしく、朗誦形式のメロディなので、慣れない感があった。
先ずはフランス語の読みに慣れることと、今一度母音だけで歌ってみることを勧める。
読む時はイタリア語と同じく、高いトーンで読む方が良い。