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発声練習は、4点Dからの下降形でファルセットの練習で始めた。
母音のAで行うと、喉の悪い力みが出るので、HUにして行った。
この場合に、まだ姿勢が悪くなるのと(顔が前に出る)唇を横に引き気味にする癖が出る。
というか、これは高音発声において誰でもが陥る癖である。
唇は前に突き出すこと、顔が前に出ない姿勢を堅持することに集中できるようになろう。
そして声は前に出すのではなく、後頭部に向って吸い込むような意識を持つことである。
夢中になって歌うと,これらのことを忘れてしまうのであり、その点の集中力の方向性さえ保てれば、彼の場合はかなり良いレベルに達することが出来るように思えた。
トスティのソルフェッヂ7番から。
ここでは発声上の問題はあまり感じられず、むしろリズム感、フレージングのことを指摘した。
4拍子の記譜だが、感じ方としては2拍で感じた方がフレージングが綺麗な音楽になるということ。
このように拍子は、必ずしも記譜通りに拍節を感じないで、全体的な音楽をつかみとることを目指してほしい。
イタリア古典からDimmi amor
最初の通しからファルセット発声の効果が表れたピッチの良い滑らかな歌声で、このところの練習の手ごたえが充分であった。
やはり高音のI母音での唇の使いかたを忘れないように。
また、高音4点FのO母音は、瞬間的に声の当て所を喉下のくぼみに当てる方法を指導。
タイミングが遅れると効果がない。
口の開け方と共にタイミングが大事である。
落葉松は、PPないしPPPの声。声の小ささと同時にフレーズを保持する息の問題が大切。
また低音はピッチが下がらないように高く当てるが、喉を力ませない条件で、下あごを降ろした方が声の響きは深みが出て良いだろう。