SNTさん歌う

SNT

発声練習は一通り、上行形5度スケールと下降形5度スケール、そして再び上行形5度を半母音Jで練習を5点bまで。
音程も良く安定した歌声で、調子が良さそうだった。

伴奏付きのレッスンで、パノフカ19番から。
トリルの練習。
喉の柔軟さが問われる。特に低音発声時は胸声のバランスによっては喉が動かなくなる点が難しい。
基本は2度音程の連続音を、半音ではなく全音程でゆっくり歌う練習から、徐々に速くしていくことを練習。

フォーレのレクイエムからPie Jesu
一回目の通しは、弱声で歌えていたが声が口先になってしまった。
ブレスでお腹のサポートをすることを忘れずに。
後はリズム感という捉え方をすること。
8分音符の刻みを身体の中で感じてもらって歌うと、この曲が持つ緊張感と祈りのオーラが感じられた。
リズム感を大切にうたうことと、発声の基本を大切に。

同じくフォーレのロマンス「蝶と花」
此方は、フランス語を読むことにエネルギーが割かれて、音楽が留まって小さくなってしまう。
まずLalalaと単母音でメロディを朗々と歌ってみる。
もちろん姿勢よく、堂々と歌うこと。
その感覚を以て、フランス語で歌えれば正解にたどりつくだろう。
そのためには、フランス語の朗読をすらすらと出来るようになることと同時に、メロディのリズムと音楽のテンポでフランス語を読む練習が大切である。

ベッリーニ「夢遊病の女」アリア「ああ、信じられない」
アリアは声の抑制と最期のメリスマ共に良く練習して歌いきっていた。
今回指摘したことは、レチタティーヴォ。
良く歌えているが、悪く言えば一本調子になっているため、長丁場のレチタティーボが退屈になる。
ここは楽譜通りのテンポの違いを明快に歌い分けることが大事ではないだろうか?

MMHさん
MMH

発声練習は、低音からの5度のスケールを始めたが、換声点近いところが通りが悪そうだったので下降形に切り替えて、換声点通過はきれいに出来た。
その後は高音5点bまで順調に進行。高音発声も無理なく出せていた。
中低音の声も太いというよりかは、ピッチの良い高い響きの傾向になっているのだが、意外な程に低音まで地声にならずに対処できるのが彼女の声の特徴である。

コンコーネは47番から。
譜読み上は難しいと感じる場所はなく、丁寧にきれいに処理できている。
ただ、音階を歌うときに換声点の通過のためか?音程感が微妙に狂う部分がある。
これは特には下降形で顕著に出るようで、低音への換声点上からまたいで下に降りる時に、換声点らしきポイントで狂い勝ち。
今回のメロディではト短調の主音の同音になる、F♯がそうである。

下降形のこのようなケースでは、とにかく最初に出した声の響きが切り替わらないようにする事が大事。
そのためには、腹筋を使って腹圧を保持することと、喉の状態を変えないように音程移動することである。
つまり響きの場所を変えないこと。響きの質を変えない事。
低音に降りる際に、低音の方が鳴りやすい場合は、おおむね♭になるだろう。

曲はヴェルディのオテロからアヴェ・マリア
3連符で歌い始める、Ave Mariaの頭のAを長すぎないように。響かせる必要はあるが。
レチタティーヴォからアリアに入るところ、JesuからPregaと歌い出す、Preの部分で弱くならないように。
その後のフレーズの最後のProstraも、ブレスがきついが、急がないでむしろ収めるように落ち着いて処理を。

中間のサビの部分Marcatoではっきりとした口調で歌いAnimandoで速く収めてフレーズを終わること。
再現部過ぎてからの低音F♭で始まるPregaもMarcatoで、小さくならずにはっきりとした口調を。
徐々に弱声になって、最後はPPでmorendo
次のAve MariaのAも長すぎないように。
最期の高音の弱声は良く歌えている。

ドナウディのSpirate pur spirateを通した。
テンポの速さを調整しながら2回ほど歌ってもらった。
3拍子だが一つ振り暗いで軽やかに歌う方が良さそうであった。

新曲のドビュッシーの「月の光2nd」は、ざっと2回ほど通してみたが、微妙な音程の難しいところを復習。
後はテンポの変わり目に注意を。
フランス語はすらすらと読めるようになることと、リズムで読むことを練習してほしい。
鼻母音の発音Nはつかないが鼻音を入れてきれいに処理出来るように。
曲のイメージをつかむのが速く、ドビュッシーの音調に親しみを持っている点が貴重である。

ドビュッシー「星の夜」ソプラノらしい細やかで透明な歌声で歌えるようになった。
発音も語尾のあいまい母音の処理も上手くなった。