発声練習を一通り行ったが、A母音が奥にこもる傾向が感じられたので、E母音の応用でAにする方法を練習した。
つまりE母音を歌うことで、舌が奥に引っ込まない感覚を保ちながらA母音を歌うことになる。
このことで、喉頭を舌根で押し込まないために、声が明るくなる。
明るくなることで微妙なピッチも良い状態に決まりやすい。
フォーレのAve verum corpusから始めた。
これも、A母音から始まるためE母音を意識してAを発声するように練習をした。
同じくMaria mater grazie
こちらは裏声で朗読を行った。高く柔らかい声で朗読することで、自然にこの曲の明るい女性的な声の響きを目指した。
最後にPavane
大きな声ではなく、声のメリハリ、あるいは語る調子が大事ということを指導した。
これは合唱用に編曲しており、本来が伴奏ピアノ部分で音楽が成立しているため、合唱部分の歌いかたには工夫が要るためである。
歌い方と言っても解りやすく説明しようとすれば、ただ単にメロディを朗々と歌うよりも歌詞を語るように、とか、音符の形をストレートに出す感じ・・くらいしか思いつかない。
そこで、レッスン時ではなく自宅に戻って考えたことは、16分音符の細かいビートを感じて歌うと、私が考える語りの調子が自然に出るのではないか?
と考えた。
つまりリズム感の問題として捉えると良いのではないか?と思った。
この場合譜面上の拍節は4拍子である。
これを半分に感じると8拍、更に割って16拍となる。
恐らく一番の要は、ビートを細かく感じることで先にどんどん進めることと、言葉の食いつきが速くなることではないだろうか。