SNT
対面レッスン。
発声練習は下降形5度、上行形アルペジオ、上行形5度スケールを一通り1オクターブ半くらいの音域。
パノフカ21番はアルペジオの練習曲で、下降形から一点跳躍というスタイルだが、特に換声点から上に跳躍した時に上の声が抜けてしまいがちだった。
この跳躍後の高音で、瞬時に発声を対応する技術を覚える必要がある。
これは喉の下げと軟口蓋の上げのバランスを作ることで、喉を下げるのは飲み込む感覚。
声自体は飲み込む場所を意識して当てるのだが、と同時に舌根を高く盛り上げるように。
このことで声帯は良く閉じて高音発声が決まりやすくなる。
ロッシーニの「約束」
課題はIn tempoで歌えることと、パノフカでも練習をした換声点から上の音程に飛ぶときの発声である。
6/8拍子を2拍子として歌うことで、テンポ感を明快にする効果があるだろう。
また歌詞やメロディの形に左右されてテンポを揺らさない方が、この曲のスタイルとしては良いこと。
フォーレの「私たちの愛」
こちらもテンポ感の問題。
拍節感ではなく、語りのリズムを崩さず進んでいく力を見せること。
更に?み砕いて言えば、細かい16分音符の速さを歌詞発音で緩めないように歌うこと。
モーツアルトのフィガロの結婚から伯爵夫人のアリア Dove sono
レチタティーヴォは、感じがつかめて来ている。
ソルフェージュは間違えていないので、あとはイタリア語の熟読を更に進めることで、言葉を音楽に載せている感じを出せるように練習してほしい。
アリアは前半と後半のテンポの緩急の差をもっとつけた方が良い。
特に後半のAllegroは、もっと速い方が良いだろう。
MMH
発声練習は下降形から上行アルペジオ、上行5度スケールと一通りで声を温めることに特化した。
パノフカ3番。
こちらは、中低音の発声に注意を。
安定した低音をどっしりと出すとピッチが下がりやすい。
特に下降形のフレーズで中低音域になったときに、小さな換声点通過があるのだが、これのせいで通過点から下でピッチが狂いやすいのである。
フレーズの形に依るが、特に下降形で中低音域に入る際には、声の響きを頼りにしないで、上の声のままで歌い通す方がピッチの良いメロディラインを作りやすい。
ドニゼッティのEterno amor e feを初練習。
音楽が性に合っているようで、歌いやすそうであった。
モーツアルトの「フィガロの結婚」スザンナのアリア「とうとう待ってた時が来た~さあ早く来て、いとしい人よ」
レチタティーヴォは、もう少し感情を直截に歌にこめて、それを前に良く出すこと。
つまり演技。
これは、違う意味でアリアも同じ。
アリアになると、歌詞の意味で感情がころころ変化するのではなく、心の定まった調子を歌い通すことになる。
この曲の場合は、それが嘘を真実らしく通そうとする心である。
このメロディでそれを歌う場合には、先ずは充分なレガートが必要であろう。
レガートは音符のつながりを一本の線にしてあげる必要があるから、息の丁寧なコントロールが必須である。
声の出し初めで強く当てない事や、跳躍で強く当てないことなど、いくつかポイントがあると思う。
そして最後の感情の高まりも最高音で表現すべきだが、常に人に聴かれて歌っていることを忘れない表現の抑制は必要である。
ドビュッシー「月の光」
全体にどう歌いたいか?というイメージが更に膨らむと良い。
低音から中音そして高音へという音楽の変化、あるいはダイナミクスの変化をドビュッシーが譜面に書いている。
それを改めて良く見て創り上げてほしい。
リズムは伴奏に合わせても良いが、ソルフェージュとしてきっちり拍節を意識した練習も必要であろう。