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発声練習の声、中低音から下降形で始める。
この中低音の声が良く響き音程感も良く、歌声の進歩を如実に感じた部分である。
曲はイタリア古典歌曲集から、ヘンデルのLacsis ch’io piangaから始めた。
この実際の曲を歌うと出てくる課題がある。
それは歌声のピッチ感である。
良く言えば喉に負担なく軽く高音までつなぎやすい声なのだが、どこかピッチが高過ぎてふわふわした感じになること。
冒頭のレチタティーヴォのArmidaの歌い出しで、ピッチが高いので、この箇所の表現が弱く感じてしまう。
もう少しどっしりと落ち着いた声がほしいところ。
5度下の音を出してから、該当音を出してもらう、という方法で、ピッチをジャストのところにポジションした。
またアリアの始まりのLasciaの4点A音も、弱声で歌い出すのではあるが、声がふわっと浮ついてしまう。
ここも、3度下のFを出してもらって、そこから音程を取り直してみた。
この音程感を大事にすること。
難しい課題だが、声と音楽との関係という意味を、和音感と考えても良いだろう。
つまり歌声が伴奏の和音とマッチしているかどうか?という部分である。
これと関係あるのだが、3曲目に練習したプッチーニの「つばめ」のアリア「ドレッタの夢」
最後のフレーズの入りが4点hで直前にオクターブ上の高音発声をするせいで、声が決まらない。
これは、つまり高音発声で喉が高すぎるためということ。
そして、最後のCosiのI母音、口を横に引くために喉を締めた声になる点。
また、PoterのE母音も日本語のアイウエオのエになる点。
常に喉を開けて発音・発声することを、改めて発声として意識してほしいと感じた。
ドナウディのAmorosi miei giorni
ほとんど問題を感じなかったが、出だしの3点Cからオクターブ上の4点Cに跳躍する声の入りが気になった。
特に上の声がやや上ずる。
これらの上ずる問題の答えは、いわゆる「お腹から出る声」ということになる。
顔から上だけを意識しないで、みぞおちの横隔膜から声を出だすという意識ももつべきであろう。