MMHさんが歌う姿

MMH

発声練習

いつものように、軽い声でそっと歌うように練習。
それでも高音の換声点の通過や、更に高い5点Aの通過も上手に対処できるようになっていた。
つまり喉をなるべく上げないように対処出来ているということ。
発声練習は、始めは軽く出しつつ徐々に声量を上げてみることも試してもらいたい。

パノフカ11番

リズム感は良し。
音程感もほぼ合格。
最後の修飾音符の歌い方に注意を。
16分音符は無理に拍節内に閉じ込め過ぎないで、丁寧に粒を歌うように。
モチーフの再現部でスラーでつながるロングトーンは、ブレスを入れないで8分音符につなげると良い。

山田耕作「鐘が鳴ります」

恐らくこの歌は座敷唄のスタイルが原型にあるでしょう。
それは歌詞もそうだし、それゆえに山田耕作も座敷唄風に、少し粋な雰囲気を見せている。
その点を良くイメージして歌うと、興趣に富んだ演奏になる。
その意味においても、特徴的な修飾音符の使いかたに習熟してほしい。
PPの声には強い意味があるので、そのためにも声を張る所はしっかり張るべきであろう。

山田耕作「みぞれに寄する愛の歌」

久しぶりに教えてみて、こちらも最初は戸惑いがあったがすぐに復活できた。
以前に比べても、この曲の持つ浪漫性には侮れない美意識を感じる。
つまり、楽譜に書いてある指示をしっかり守って歌うこと。
そうやって歌い込んで行った先に、楽譜に指示している作曲家の意図が判ればしめたものである。

中田喜直「哀しくなった時は」

この曲は寺山修司の詩であるが、詩が内包する音楽性を実にうまくとらえて作曲している名作である。
そのため、歌詞を明快に歌わないと、この曲の真の良さが発揮されない。
ベルカントのようは声の響きの美しさや滑らかさや声量に酔っては絶対にいけない。
つまり歌詞が不明瞭な歌は、この作品の持つ美点を損なってしまうということ。

方法としては、普通に歌を歌うような声の響きを線のように歌うことから離れること。
つまり各母音の単位をおいて行くように単純に歌うこと。
「か~な~し~く~な、た~と~き~は~」は×
「か、な、し、く、な、、った、と、き、は~、」
ということを、同じテンポ内に入れ込んで歌うこと。
もちろん各母音のピッチは正確でなければいけないのは当然である。

音程と全体的なテンポ感が決まっていれば、シラブルが切れていても充分に旋律の認識は持てるのである。
加えて歌詞が明瞭に聞こえてくる。