AC
発声練習
彼女にも「あくび発声」を推奨。
特に地声との境目に難があったが、この発声はその点でスムーズになるようであった。
中高音の換声点前の発声は、特に変化はない。
彼女の過大を強いて挙げると、母音のAがあいまい母音のようになること。
これは、恐らく舌に独特の力みがあるのだろう。
この点は、長期的な課題として持ちたいと思う。
プーランク 歌曲集「月並みな歌」より「オルクニーズの門」
高音への跳躍、あるいは中高音の声が出過ぎてしまう課題を練習。
お腹の支えを強く持って、息が出過ぎないようにコントロールすること。
つまり強く出そうな瞬間ほど、筋肉に力を入れる感覚。
「ホテル」
低音の声をピッチを含めて明るく。
PPで歌うJ’allume au feu du jourの声は大切にコントロールしてほしい。
「ヴァロニーの沼地」
中高音～高音の発声で特に跳躍する際に高音側が出過ぎない抑制のある歌声を練習した。
これはお腹の支えをしっかりさせていることが前提である。
つまり単純な呼気で歌声を産み出す感覚ではない。
ブレスで生まれた喉上にある息の層の中で子音発語やそのための舌の使いかたと口の開け具合で調節するのである。
「パリへの旅」
発声は、これまで指摘した通りであることが前提として、歌詞発音を明快にはっきり出すことに集中してほしい。
単純にこの楽しい曲の3拍子の気持ち良さを身体で感じて歌えれば、より良い演奏につながるだろう。
「すすり泣き」
前半の弱声による歌声の表現はとても良かった。
中間部から後半にかけて、やはり音程跳躍するときに高音側が強すぎることが多かった。
この点だけ注意をしてもらえれば、ほぼこの曲の音楽表現として充分なレベルになる。
