TNK
発声練習
高音への換声の練習課題を設けた。
下降形5度スケールで歌い始める時に、特に4点Dあたりから換声が始まるので、声の出し始めに注意を与えた。
具体的には、息を一瞬止めて喉仏より下の鎖骨の中間あたりに声を当てること。
当然音程の高さがあるわけで、これは感覚的な対処で良い。
問題は声の出し始めをどこに感じるか?ということ。
このことによって、高音で無駄な呼気の吐きかたをしないで、かつ声帯を閉じて高音発声に相応しい状態に適応させるのである。
コンコーネOP9から28番
譜読みの不確かな部分を練習。
主に、タイで結ばれた音符の長さの勘違いを修正した。
歌いながら頭の中で拍を数えることを癖にするべきではないだろうか?
あるいは、手を使って拍節を数えることも譜読みの初期には必要である。
また、転調をしてからの音程感も今一歩であった。
これらを丹念に部分練習を重ね、一応全体は間違わずに読めるまで到達できた。
念のため、次回に再確認となった。
フォーレ「5月」
最初の通しでは、どうも歌声が暗かった。
そのため、A母音を使ってラララで歌い通してもらった。
声は明るくなったので、A母音の響きを保つように歌詞で歌ってもらった。
母音の練習をAEIOUと同度で練習すると良い。
Aの母音で口奥の空間を体得し、その状態を他の母音に応用する方法である。
フォーレ「漁夫の唄」
今回もだが、低音の声はピッチを高く明るく意識するということ。
特に冒頭のレチタティーヴォ風の節は、ピッチを意識すべきだろう。
ただし、それは低音域の話であって、中高音は必要ないという点が課題であった。
中高音もピッチを意識し過ぎると声質が浅くなるからである。
木下牧子「海と涙と私と」
A母音を応用した口奥の広い歌い方は、声質に良い影響を与えていた。
ただし、これも慣れないせいで狭母音が広すぎて日本語がおかしく感じる箇所が散見された。
A母音応用による口奥の共鳴腔の使い方を優先すべきだが、それは必ずしも口先を開く必要ではない事。
これは、何度もトライして慣れるしかないことと、本質的に狭母音と開母音の見かけの声質を合わせる必要はないこと。
つまり口奥が空いていることが大事であって、声質を狭母音間で合わせなければならないわけではないこと。